相続登記義務化2026年完全ガイド:過料・期限・住所変更登記の最新実務
相続登記義務化2026年完全ガイド:過料・期限・住所変更登記の最新実務
Koukyuu Realty
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宅地建物取引士 監修

本記事は、港区・渋谷区・千代田区で3億円超の実取引に関わる弊社の宅地建物取引士が監修。表には出ない実務知見をもとに、制度の最新動向・実勢相場・資産運用上の論点のみを精査して記載しています。

宅地建物取引士(国家資格・宅地建物取引業法に基づく専門資格)
得意分野: 港区・渋谷区・千代田区の高級不動産/資産保全・法人化/相続・事業承継/富裕層向けファイナンス

2026年4月1日、不動産登記法の改正によって住所・氏名変更登記の義務化が施行された。2024年4月1日に先行施行された相続登記の義務化と合わせ、不動産所有者が法務局に対して負う登記申請義務は二段階で強化された形になる。港区・渋谷区・千代田区に複数の不動産を保有する富裕層にとって、この制度変更は単なる手続き上の話題にとどまらない。未申請が続けば過料の対象となり、相続税評価の文脈では令和8年度税制改正の「貸付用不動産5年ルール」とも連動する。以下、2026年4月時点の最新情報に基づいて整理する。

相続登記の義務化:制度の骨格と遡及適用の範囲

相続登記の義務化は、令和3年改正不動産登記法(令和3年法律第24号)第76条の2を根拠とし、2024年4月1日に施行された。相続開始を知り、かつ所有権取得を知った日から3年以内に登記申請を行うことが義務となっている。

不動産の相続登記をしないとどうなるか。 正当な理由なく申請を怠った場合、同法第164条第1項により10万円以下の過料が課される。過料は行政上の制裁であり刑事罰とは異なるが、法務局から催告を受けたうえで裁判所が決定する手続きを経て確定する。放置すれば売却・担保設定・次の相続のいずれの場面でも権利関係が複雑化し、実害は過料にとどまらない。 相続登記を怠った場合、10万円以下の過料は適用されるか。 適用される。同法第164条第1項は「正当な理由がないのに申請を怠った」場合を要件としており、手続きの煩雑さは正当な理由に該当しない。遺産分割協議の長期化など客観的な事情がある場合は、後述の相続人申告登記で義務を暫定的に履行することが現実的な対応となる。 3年以内に相続登記をしないとどうなるか。 相続開始を知り所有権取得を知った日から3年を超えると、上記の過料リスクが生じる。加えて、未登記のまま次の相続が発生した場合、相続関係が複数世代にわたって錯綜し、将来の登記申請に必要な書類の収集が著しく困難になる。相続人が高齢化・死亡するほど協議の合意形成コストも上昇するため、早期申請が実務上も合理的だ。 2026年4月から登記が義務化されるか。 相続登記の義務化は2024年4月1日に既に施行済みだ。2026年4月1日に施行されたのは住所・氏名変更登記の義務化であり、両者は別の制度として段階的に強化された。いずれも現時点で義務であり、猶予期間中であっても申請義務は発生していることをご確認いただきたい。

遡及適用の扱いにも注意が必要だ。施行前に発生した相続についても義務化の対象となる。2024年4月1日より前に相続が発生し、かつ相続人がその事実を知っていた場合、期限は原則として2024年4月1日から3年以内、すなわち2027年3月31日となる。この期日を過ぎた未登記物件については過料リスクが生じる。

遺産分割が完了していない段階でも「相続人申告登記」(同法第76条の3)を活用することができる。単独で申出が可能で、登録免許税は不要、オンライン対応も整備されている。ただし、この申告登記は所有権移転の効力を持たない暫定措置であり、遺産分割成立後は成立日から3年以内に分割内容を反映した登記を追加申請する義務が別途生じる点を見落とさないようにしていただきたい。

法務省「相続登記の申請義務化について」では、義務化の趣旨と手続きの詳細が一次情報として公開されている。司法書士への相談を検討する際の確認資料としても有用だ。

2026年4月施行:住所・氏名変更登記の義務化と過料5万円

2026年4月1日に施行された改正不動産登記法第76条の5は、所有権登記名義人の住所・氏名に変更があった場合、変更日から2年以内に変更登記申請を義務付けている。正当な理由なく申請を怠った場合の過料は5万円以下(同法第164条第2項)と、相続登記の10万円より低い水準に設定されているが、義務であることに変わりはない。

施行前にすでに住所・氏名の変更が生じていた場合の猶予期限は2028年3月31日だ。転居・婚姻・改名等の事由で登記簿上の情報が実態と乖離している物件を保有している場合、この期限を念頭に棚卸しを行う必要がある。

制度の実効性を高める仕組みとして、法務局が住民基本台帳ネットワーク等と連携して職権登記を行う制度も整備された。所有者が申請を怠った場合でも行政側が登記情報を更新できる体制が整いつつある点は、これまでの任意申請とは根本的に異なる。

2026年2月2日に開始した「所有不動産記録証明制度」も見落とせない。特定の人物が所有する全国の不動産を法務局が一覧証明するこの制度は、相続人が被相続人の保有不動産を網羅的に把握するためのインフラとして機能する。複数の区にまたがって不動産を保有している場合、従来は各法務局への個別照会が必要だったが、この制度によって一元的な把握が可能になった。

所有者不明土地問題と義務化の背景

相続登記の義務化と住所変更登記の義務化が相次いで施行された背景には、所有者不明土地問題の深刻化がある。国土交通省の調査によれば、所有者不明土地は国土面積の約24%に達し、2040年までに約720万ヘクタール、北海道本島に相当する規模に拡大すると予測されている。

所有者不明土地が生じる主因の一つが、相続発生後に登記が更新されないケースだ。相続人が複数世代にわたって登記を放置した結果、現在の所有者を特定することが困難になり、公共事業・民間開発・隣地との境界確認のいずれにおいても支障をきたす。

政府広報オンラインの解説でも、所有者不明土地の問題解消が義務化の立法趣旨として明記されている。

富裕層の視点で重要なのは、都市部の高額物件においても未登記リスクが潜在する点だ。元麻布・西麻布・白金台のような住宅地では、数十年前に取得した物件を複数世代にわたって保有しているケースも多い。登記簿上の所有者・住所・持分が現在の実態と一致しているかを確認する作業が、2026年以降の実務上の優先事項となっている。

令和8年度税制改正「貸付用不動産5年ルール」との連動

登記義務化と並行して、相続税評価の文脈でも重大な制度変更が進んでいる。令和8年度税制改正大綱に盛り込まれた「貸付用不動産5年ルール」は、相続開始前5年以内に対価取得した貸付用不動産について、財産評価基本通達による圧縮評価の適用を制限し、取得価額等を参照した時価近似評価を適用するものだ。

対象となるのはマンション・一棟ビル・アパート・不動産小口化商品等で、居住用不動産は対象外とされている。この改正の背景には、最高裁令和4年4月19日判決がある。タワマン節税に対して総則6項を適用した同判決を契機に、課税当局は通達評価による相続税圧縮に対して一層厳格な姿勢をとるようになった。

令和6年1月1日施行の「居住用区分所有財産の評価」(マンション通達)との重畳適用の可能性もあり、保有する貸付用不動産の取得時期・評価方法については税理士との精緻な確認が不可欠だ。なお、具体的な評価通達は2026年4月時点で国税庁から未公表であり、正式通達の公表後に数値・適用範囲を再確認する必要がある。

相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人数」(相続税法第15条)、税率は10%から55%の累進課税(同法第16条)、申告期限は死亡知得日翌日から10か月(同法第27条)という現行パラメータは変わっていない。貸付用不動産の評価額が時価近似に引き上げられれば課税価格は実質的に増加するため、生命保険非課税枠(500万円×法定相続人数、同法第12条第1項第5号)の活用や延納・物納の事前検討が、これまで以上に重要になる。

不動産の相続税評価額の計算方法と2026年度税制改正による5年ルールでは、具体的な計算例を交えて詳細を整理している。保有物件の評価方法を確認する際の参考として活用いただきたい。

登記手続きの実務と必要書類

相続登記の申請に必要な書類は、ケースによって異なる。遺産分割協議に基づく場合は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式、相続人全員の戸籍謄本、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書、固定資産評価証明書等が必要となる。法定相続分による申請の場合は遺産分割協議書が不要となる分、手続きが簡略化される。

登録免許税は不動産価額の0.4%(登録免許税法)だ。港区・渋谷区・千代田区の高額物件では固定資産税評価額が数億円に達するケースも多く、登録免許税の額も相応の水準になる。相続人申告登記については登録免許税が不要とされている。

住所・氏名変更登記の必要書類は変更の原因によって異なる。転居の場合は住民票、婚姻・改名の場合は戸籍謄本が基本となる。法務局への申請はオンラインでも対応しており、司法書士に委任する方法と本人申請の両方が選択できる。

手続きを司法書士に委任する場合の費用は、物件の数・評価額・書類の複雑さによって幅があるが、1物件あたり数万円から十数万円程度が目安となる。複数物件を一括してご依頼いただくことで費用を抑えられるケースもある。過料のリスクや相続税評価への影響を考慮すれば、専門家への相談費用は合理的な支出だ。

富裕層が今すぐ着手すべき実務チェックリスト

以上の制度変更を踏まえ、2026年4月時点で優先的に確認すべき事項を整理する。

登記状況の棚卸し

保有する全不動産について、登記簿上の所有者名・住所・持分が現在の実態と一致しているかを確認する。婚姻・離婚・転居・法人合併等の事由で変更が生じた物件は優先的に点検していただきたい。2026年2月2日に開始した所有不動産記録証明制度を利用すれば、全国の保有不動産を法務局経由で一覧把握できる。変更が必要な物件が見つかった場合は速やかに司法書士へご相談いただくことを推奨する。

相続発生済み物件の期限管理

2024年4月1日より前に発生した相続で未登記のままの物件については、2027年3月31日が申請期限となる。この期限を超えた場合、10万円以下の過料の対象となる。遺産分割協議が未了の場合でも、相続人申告登記を活用して義務を暫定的に履行することができる。期限まで1年を切った現時点で、未登記物件の有無を早急にご確認いただきたい。

貸付用不動産の取得時期の確認

相続開始前5年以内に取得した貸付用不動産については、令和8年度税制改正の「5年ルール」の対象となる可能性がある。取得価額・取得日・現在の通達評価額を整理し、税理士と連携して相続税シミュレーションを更新しておく必要がある。

小規模宅地等の特例の適用可能性

租税特別措置法第69条の4に基づく小規模宅地等の特例は、貸付事業用宅地等について200㎡まで50%の評価減を認める。5年ルールとの関係整理が必要なケースも生じるため、適用要件を司法書士・税理士と確認しておく。

生前贈与との組み合わせ検討

登記義務化の強化と税制改正を踏まえると、相続時点での一括移転より生前の計画的な移転を検討する場面が増える。不動産の生前贈与にかかる税金と費用の2026年整理も合わせてご参照いただくことで、選択肢の全体像を把握できる。


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