
Koukyuu所属の宅地建物取引士が監修
港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。
2026年3月に国土交通省が発表した公示地価により、港区麻布エリアの地価動向が明確な輪郭を見せた。調査基準日2026年1月1日時点で、麻布エリア全体の平均地価は358万6153円/m²、坪単価1185万5054円に達し、前年比16.72%の上昇を記録した。特に注目すべきは麻布十番2-20-7の商業地が522万円/m²、坪単価1725万円という数字を示したことだ。変動率は18.91%に及び、港区内で最も高い上昇率の一つとなった。
公示地価と基準地価、2026年の最新数値
公示地価は毎年3月に国土交通省が発表する法定地価で、2026年(令和8年)は1月1日を基準日として調査された。対して基準地価は9月発表のもので、2025年(令和7年)の基準地価における麻布エリア平均は351万2000円/m²、坪単価1160万9917円、前年比14.40%上昇となっている。
両データを比較すると、2025年9月から2026年1月までの短期間で上昇ペースが加速していることが読み取れる。2020年(令和2年)の平均地価258万円/m²から2025年の326万円/m²へ、5年間で26.2%の上昇を経て、さらに2026年は前年比16%台の伸びを示している。
主要地点の公示地価ランキングは以下の通りだ。
| 順位 | 地点 | 地目 | 価格(円/m²) | 坪単価(万円) | 変動率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 麻布十番2-20-7 | 商業地 | 5,220,000 | 1,725 | +18.91% |
| 2位 | 南麻布4-9-34 | 住宅地 | 4,990,000 | 1,649 | +15.51% |
| 3位 | 麻布台3-4-10 | 商業地 | 4,960,000 | 1,639 | +18.10% |
1987年のバブル期ピーク1026万円/m²には未達であるが、2020年以降の上昇基調は明確に継続している。
麻布十番・西麻布・南麻布のエリア別比較
麻布十番は港区内順位13位、東京都内50位、全国76位に位置づけられている。2021年から順位を上げ続けており、地価ランキングにおける存在感を増している。
西麻布の動向も無視できない。2026年公示地価の平均坪単価は889.26万円、変動率17.21%を記録した。西麻布1-8-19の住宅地は215万円/m²、坪単価710万円で、5年連続の上昇となり、2021年比では43.3%の上昇率を示している。
東急リバブルが2026年に発行した西麻布1-8-19の不動産鑑定評価書によると、このエリアの主たる需要者は自己使用目的の高額所得者・富裕層である。取引価格帯は標準規模土地で700万円/坪程度、総額3〜5億円が中心で、「利便性の高い優良な住環境」「麻布・六本木・赤坂等のアドレスが重視される傾向が強い」と評価されている。
南麻布は住宅地としての性格が強く、4-9-34地点の499万円/m²は純粋な住宅地価格として極めて高い水準を示している。商業地と住宅地の価格差が縮まりつつあることは、このエリアが居住目的の資産として再評価されている証左である。
麻布十番とは何か|2026年の地価・相場・祭り・平均年収を一覧するでは、エリア全体の社会経済指標を詳細に整理している。地価上昇の背景と市場特性
2026年の地価上昇には複数の要因が重なっている。まず、利便性の向上だ。東京メトロ南北線と都営大江戸線の麻布十番駅は、六本木駅まで2分、白金高輪駅まで3分、目黒駅まで7分というアクセスを持つ。2026年現在、この駅周辺の再開発プロジェクトが複数進行中である。
三田小山町西地区第一種市街地再開発事業は、その最も大規模なものだ。三井不動産を中心とする再開発組合が事業主体となり、2棟の高層ビルと商業施設、住宅が複合した開発が進められている。2026年3月時点で南街区の躯体工事が進み、「パークコート麻布十番東京」として2027年の竣工を予定している。
この市街地再開発は単なる供給増ではない。再開発前の低層建築物が密集していたエリアが、地震に強い免震構造の高層住宅に置き換わることで、資産としての耐久性と希少性が同時に高まる。既存の中古マンションにも好影響が及んでいる。
富裕層の投資行動も変化している。株式市場の高値更新と円安が重なり、不動産への実物資産シフトが加速している。特に港区の優良住宅地は、相続対策と資産保全の両面で需要が高まっている。
再開発プロジェクトの具体的な影響
三田ガーデンヒルズ至近の「パークコート麻布十番東京」は、エリアの顔を変えるプロジェクトだ。南街区と北街区に分かれ、総戸数は約1400戸規模となる見込みだ。竣工後、このエリアの住宅ストックは質的に大きく変化する。
既存の物件市場にも波及効果が見られる。タイムレス麻布十番の再生プロジェクトは2026年3月に竣工を迎え、1LDKから3LDKのコンパクトな戸数構成で即座に完売した。42.77㎡の1LDKから72.82㎡の3LDKまで、単身から小家族までを想定した設計は、従来の麻布の大規模高級マンションとは異なる需要層を取り込んでいる。
ライフスタイルホテル「THE LIVELY 東京麻布十番」は2026年5月1日から31日まで、2階ラウンジ「LIVERALLY」を一般開放するイベントを開催している。こうした商業施設の流入は、エリアの昼夜の人口構成を変え、地価の商業地要素を押し上げている。
シティホームズ麻布十番館:東京都港区麻布十番1丁目の収益商業ビル開発シリーズ【2026年】では、収益用不動産としてのエリア特性を別角度から分析している。長期的な地価推移と今後の見通し
麻布エリアの地価は2020年を明確な分岐点として上昇基調を辿っている。コロナ禍におけるリモートワークの普及で一時的に都市部の地価が下落する地域もあったが、港区の優良住宅地は逆に選別されて需要が集中した。
1987年のバブル期ピーク1026万円/m²との比較は、単純な回復局面ではないことを示唆している。当時は投機的な土地取引が価格を押し上げていたが、2026年の上昇は実需、特に自己使用目的の富裕層の購入が支えている。持続可能性は高い。
ただし、注意すべき点もある。坪単価1700万円を超える水準は、東京23区内でも最高クラスである。さらなる上昇余地はあるか。これは個別物件の品質、特に築年数、管理状態、眺望、方位によって大きく分かれる。
2026年4月現在、新築マンションの価格は坪単価500万円を軽く超えるケースが多く、土地価格との整合性が問われている。建築費高騰が新築価格を押し上げており、中古マンションとの価格差が縮まりつつある。
麻布エリア不動産投資の実務的ポイント
投資判断に際して、公示地価と実勢価格の乖離に注意が必要だ。公示地価は標準的な土地の価格を示すが、実際の取引には物件個別の加減価が入る。特に麻布エリアは敷地形状、道路幅員、近隣環境による価格差が大きい。
相続税評価額との関係も重要だ。公示地価は相続税路線価の算定基準となっており、2026年の地価上昇は今後の相続税負担に直結する。相続対策としての不動産投資は、単なる資産形成とは異なる論理を持つ。
利回り追求型の投資家と、自己使用目的の居住者では最適な物件選択が分岐する。麻布十番周辺の収益物件は、賃料水準の高さから表面利回りは低めだが、空室リスクは相対的に小さい。一方、西麻布や南麻布の戸建て用地は、開発後の売却益を見込んだ土地持ち型の投資に適している。
Koukyuuが取り扱う物件は3億円以上に限定されているが、この価格帯は麻布エリアの優良物件のエントリーポイントに相当する。個別の資産構成に応じた物件選定が求められる。
Koukyuuは麻布・広尾・白金をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談)はこちらから。
