新築マンション固定資産税はいつから?2026年の軽減措置・計算方法・税額シミュレーション
新築マンション固定資産税はいつから?2026年の軽減措置・計算方法・税額シミュレーション
Koukyuu Realty
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港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。

2026年4月時点、港区の新築マンション平均成約価格は1戸あたり2億円を超える水準にある。これほどの資産を取得する際、初年度の固定資産税がいくらになるかを正確に把握しているクライアントは多くない。納税通知書が届いてから初めて税額を知る事態は、資産規模に見合った意思決定とは言い難い。本稿では、新築マンションの固定資産税が初年度にいつから発生し、どのように計算され、2026年時点の軽減措置がどう機能するかを、具体的な数字とともに整理する。


固定資産税の基本構造:課税根拠と税率

固定資産税は地方税法第343条・第350条を根拠とし、毎年1月1日時点の不動産所有者に対して市区町村が課税する。標準税率は課税標準額の1.4%。東京23区の場合、市街化区域内の土地・建物には都市計画税(最大0.3%)が別途加算されるため、実効税率は1.7%となる。

課税標準額は土地部分と建物部分に分けて算定される。建物の評価額は再建築価格方式によって算出され、新築時点では建設費の概ね50〜70%が評価額の目安となる。土地の評価額は公示地価等を参考にした時価の60〜70%水準で、評価替えは3年サイクルで行われる。直近の評価替えは2024年度で、次回は2027年度となる。

販売価格に対する固定資産税評価額の比率は、建物・土地の合算で概ね50〜60%程度に収まることが多い。実際の評価額は市区町村から送付される固定資産税課税明細書で確認する必要がある。

土地部分には住宅用地の特例が適用される。専有面積に対応する敷地持分が200㎡以下の小規模住宅用地に該当する場合、課税標準額は固定資産税評価額の1/6に圧縮される。200㎡を超える一般住宅用地部分は1/3となる。マンションでは敷地全体を総戸数で按分した持分面積が判定基準となるため、大規模タワーマンションでは多くのケースで小規模住宅用地特例(1/6)が適用される。


新築マンションの固定資産税はいつから課税されるか

固定資産税の課税基準日は毎年1月1日である。新築マンションの場合、引渡しを受けた後の最初の1月1日時点で所有者として登記されていれば、その年度分から課税対象となる。

具体的に整理すると、2025年中(たとえば10月)に引渡しを受けた場合、2026年1月1日時点の所有者として認定され、2026年度分の固定資産税が最初の課税年度となる。納税通知書は2026年4〜6月に送付される。

一方、2026年1月5日に引渡しを受けた場合は、2026年1月1日時点ではまだ所有者でないため、初めての課税は2027年度分となる。年末年始の引渡しタイミングは固定資産税の起算年度に直接影響するため、契約条件の調整段階で意識しておく価値がある。

新築の12月入居・引渡しの場合はどうなるか

12月引渡しについては実務上よく質問を受ける。2025年12月20日に入居・所有権移転が完了した場合、翌2026年1月1日時点の所有者として課税が始まる。初年度の固定資産税は2026年度分となり、第1期納付期限は同年6月末が目安となる。

住宅ローン控除との関係では、2025年12月入居であれば2025年分から控除が開始されるため、固定資産税の起算と住宅ローン控除の起算が異なる年度になるケースがある。この点は税理士との事前確認を推奨する。

引渡しを翌年1月以降に調整できる場合、固定資産税の起算を1年遅らせることが可能だ。物件によっては売主との交渉余地があるため、購入条件の整理段階で検討に値する。


2026年の軽減措置:新築マンションの固定資産税はいつから安くなるか

新築マンションの建物部分に対する固定資産税軽減措置は、地方税法附則第15条の6に根拠を置く。令和8年度税制改正概要(国土交通省)によれば、中高層耐火構造のマンションについて、建物部分の固定資産税が5年間にわたって1/2に軽減される。認定長期優良住宅の認定を受けたマンションは、この軽減期間が7年間に延長される。

新築マンションの固定資産税が安くなるのは、引渡し後の最初の課税年度からである。軽減措置は申請不要で自動適用される(認定長期優良住宅の7年延長を除く)。初年度から建物部分が1/2となるため、6年目(または8年目)に軽減が終了した時点で税額が跳ね上がる。この段差を事前に資金計画に織り込んでおくことが重要だ。

軽減措置の適用対象面積は1戸あたり120㎡相当分までに限定される。専有面積が120㎡を超える場合、超過部分については通常の税率が適用される。床面積要件として50㎡以上280㎡以下の住戸が対象となる。

認定長期優良住宅として7年間の軽減を受けるには、完成後3か月以内に自治体の税務課へ申告する必要がある。この手続きを失念すると、自動的に5年間の軽減止まりとなる。2年分の軽減期間の差は、高額物件では数十万円単位の税負担差となる。引渡し後の手続きリストに必ず組み込んでおくべき事項だ。

2025年12月に決定した2026年度税制改正大綱において、軽減措置はさらに5年間延長(2031年3月31日まで)が盛り込まれた。延長後の詳細要件は国土交通省・総務省の告示を随時確認することを推奨する。

都市計画税については、この軽減措置の対象外となる。建物部分の都市計画税(評価額×0.3%)は、軽減措置の適用期間中も通常通り課税される。


計算方法と税額シミュレーション:4000万円・1億円・3億円・5億円物件

固定資産税の計算方法を、購入価格帯別に具体的に示す。評価額は販売価格の60%で試算し、建物部分を販売価格の70%、土地持分を30%として按分する。専有面積は100㎡、東京23区内の新築マンションを前提とする。

販売価格4000万円の場合

建物評価額:2,800万円×60%=1,680万円

土地評価額:1,200万円×60%=720万円(小規模住宅用地特例適用)

| 項目 | 計算根拠 | 年税額(概算) |

|——|———-|—————|

| 建物・固定資産税(軽減適用) | 1,680万円×1.4%×1/2 | 約11.8万円 |

| 土地・固定資産税(1/6特例) | 720万円×1/6×1.4% | 約1.7万円 |

| 都市計画税(建物) | 1,680万円×0.3% | 約5.0万円 |

| 都市計画税(土地) | 720万円×1/3×0.3% | 約0.7万円 |

| 初年度〜5年目合計 | | 約19万円 |

| 6年目以降 | 建物固定資産税が通常課税に | 約31万円 |

新築4000万円マンションの4年目の固定資産税は、軽減措置の適用期間内(5年間軽減の4年目)であるため、建物部分は引き続き1/2に軽減される。ただし建物評価額は経年減点補正率によって逓減しており、4年目時点では新築時の概ね90%前後の水準となる。実際の4年目税額は概ね年間17〜19万円の範囲に収まるケースが多い。5年目が終了した6年目以降は建物固定資産税が倍増するため、資金計画上は6年目以降の税額水準を基準に積み立てを設計することが合理的だ。

販売価格1億円の場合

建物評価額:7,000万円×60%=4,200万円

土地評価額:3,000万円×60%=1,800万円(小規模住宅用地特例適用)

| 項目 | 計算根拠 | 年税額(概算) |

|——|———-|—————|

| 建物・固定資産税(軽減適用) | 4,200万円×1.4%×1/2 | 約29.4万円 |

| 土地・固定資産税(1/6特例) | 1,800万円×1/6×1.4% | 約4.2万円 |

| 都市計画税(建物) | 4,200万円×0.3% | 約12.6万円 |

| 都市計画税(土地) | 1,800万円×1/3×0.3% | 約1.8万円 |

| 初年度合計 | | 約48万円 |

| 6年目以降 | 建物固定資産税が通常課税に | 約77万円 |

販売価格3億円の場合

建物評価額:2億1,000万円×60%=1億2,600万円

土地評価額:9,000万円×60%=5,400万円

| 項目 | 計算根拠 | 年税額(概算) |

|——|———-|—————|

| 建物・固定資産税(軽減適用・120㎡上限) | 1億2,600万円×1.4%×1/2 | 約88.2万円 |

| 土地・固定資産税(1/6特例) | 5,400万円×1/6×1.4% | 約12.6万円 |

| 都市計画税(建物) | 1億2,600万円×0.3% | 約37.8万円 |

| 都市計画税(土地) | 5,400万円×1/3×0.3% | 約5.4万円 |

| 初年度合計 | | 約144万円 |

| 6年目以降 | | 約232万円 |

販売価格5億円の場合

建物評価額:3億5,000万円×60%=2億1,000万円

土地評価額:1億5,000万円×60%=9,000万円

5億円超の物件では専有面積が120㎡を超えるケースが多く、超過部分は軽減措置の対象外となる。ここでは専有面積150㎡を想定し、軽減対象を120㎡分(80%)として計算する。

| 項目 | 計算根拠 | 年税額(概算) |

|——|———-|—————|

| 建物・固定資産税(軽減適用・120㎡分) | 2億1,000万円×80%×1.4%×1/2 | 約117.6万円 |

| 建物・固定資産税(超過30㎡分) | 2億1,000万円×20%×1.4% | 約58.8万円 |

| 土地・固定資産税(1/6特例) | 9,000万円×1/6×1.4% | 約21.0万円 |

| 都市計画税(建物) | 2億1,000万円×0.3% | 約63.0万円 |

| 都市計画税(土地) | 9,000万円×1/3×0.3% | 約9.0万円 |

| 初年度合計 | | 約269万円 |

| 6年目以降 | | 約387万円 |

これらはあくまで試算であり、実際の固定資産税評価額は市区町村の算定によって異なる。6,000万円マンションの固定資産税はいくら?2026年の実額シミュレーションと価格帯別比較では、さらに細かい価格帯別の比較を確認できる。


経年減価と税額の長期変化:RC造マンションの場合

固定資産税の税額は購入後も固定されるものではない。建物評価額は経年減点補正率によって毎年逓減し、RC造(鉄筋コンクリート造)マンションの法定耐用年数は47年とされている。

| 経過年数 | 補正率(目安) | 建物評価額の変化 |

|———|————–|—————-|

| 新築時 | 1.00 | 基準値 |

| 5年目 | 約0.80 | 20%減 |

| 10年目 | 約0.50 | 50%減 |

| 20年目 | 約0.25 | 75%減 |

| 25年目以降 | 0.20(最低限度) | 80%減で下げ止まり |

前述の3億円物件を例にとると、軽減措置が終了する6年目以降も建物評価額は逓減を続ける。10年目には建物評価額が新築時の約50%になるため、固定資産税の建物部分も概ね半減する計算となる。一方で土地評価額は市況に連動するため、都心の優良立地では土地部分の税額が上昇するケースもある。

固定資産税評価額に不服がある場合、固定資産評価審査委員会への審査申出が可能だ。納税通知書を受領してから3か月以内が申出期限となる。高額物件では評価額の数%の差が年間数十万円の税負担差に直結するため、評価明細書の内容は必ず精査する習慣を持ちたい。

相続対策として不動産を保有する場合、固定資産税評価額は相続税の課税価格算定においても参照される。建物の相続税評価額は固定資産税評価額と同額とされるため、経年減価による評価額の低下は相続税の圧縮効果にも寄与する。資産承継を見据えた不動産購入において、見落とされがちな観点の一つだ。

マンション固定資産税が上がる理由と2026年の税額シミュレーションでは、評価替えサイクルと市況変動が税額に与える影響をより詳細に分析している。

納付スケジュールと実務上の注意点

2026年度の固定資産税・都市計画税の納税通知書は、2026年4〜6月にかけて各市区町村から送付される。東京23区の場合、都税事務所から送付される。

分割納付の標準的なスケジュールは以下の4期となる。

  • 第1期:2026年6月末日
  • 第2期:2026年9月末日
  • 第3期:2026年12月末日
  • 第4期:2027年2月末日

一括払いも可能で、多くの自治体でクレジットカード、PayPay等のスマートフォン決済、nanacoによる納付に対応している。年間税額が数百万円規模になる高額物件では、クレジットカードのポイント還元を活用する選択肢も検討に値する。カード決済には手数料が発生する場合があるため、還元率と手数料のバランスは事前に確認する。

実務上、特に注意が必要な事項を三点挙げる。

第一に、認定長期優良住宅の申告期限。 7年間の軽減措置を受けるには完成後3か月以内の申告が必要だ。引渡し後の手続きが集中する時期に見落とされやすいため、仲介担当者や税理士と事前にスケジュールを共有しておくことを推奨する。 第二に、特定空家の指定リスク。 住宅用地の特例(1/6)は、住宅として適切に維持管理されていることが前提となる。「特定空家」に指定されると住宅用地特例が剥奪され、税額が最大6倍に跳ね上がる。投資目的で長期空室にする場合は、この点を念頭に置く必要がある。 第三に、売却時の日割り精算。 不動産の売却に際しては、固定資産税・都市計画税を引渡し日基準で売主・買主間で日割り精算するのが慣行だ。年の途中で売却する場合、引渡し日以降の税額相当分を買主が負担する形で精算される。新築マンション固定資産税の初年度:2026年の軽減措置・税額・納付スケジュールでは、売却時の精算計算についても詳しく解説している。

まとめ:購入前に把握すべき固定資産税の論点

新築マンションの固定資産税に関して、購入前段階で確認すべき論点を整理する。

  • 課税開始タイミング:引渡し後の最初の1月1日から課税が始まる。12月引渡しの場合、翌年1月1日時点で所有者として認定され、その年度分が初課税となる
  • 軽減措置の期間:一般新築マンションは5年間、認定長期優良住宅は7年間、建物部分の固定資産税が1/2に軽減される。2031年3月31日まで延長済み
  • 税額の段差:軽減措置終了時点で建物部分の固定資産税が倍増する。6年目(または8年目)以降の税額を基準にキャッシュフロー計画を設計する
  • 4年目の税額:軽減措置の適用期間内であり、建物評価額の経年減価も加味すると初年度より若干低い水準となる。6年目以降の跳ね上がりに備えた積み立て設計が重要
  • 評価額の確認:納税通知書受領後3か月以内に評価明細書を精査し、不服があれば審査申出を行う
  • 長期優良住宅の申告:完成後3か月以内の申告を失念しない

高額物件の購入において固定資産税の試算を購入前段階から行うことは、資産保全の観点から基本的な作業となる。令和8年度税制改正概要(国土交通省)に示された軽減措置の延長内容を踏まえ、5年後・10年後の税負担を含めたキャッシュフロー計画を立てておくことが、長期保有を前提とした不動産購入の前提条件となる。


Koukyuu は表参道・青山・元麻布・白金台をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談はこちらから。

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