
Koukyuu所属の宅地建物取引士が監修
港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。
2026年3月に国土交通省が公表した地価公示データで、港区芝エリアの平均公示地価は530万5,000円/㎡に達した。前年比変動率は+17.91%。東京23区の住宅地・商業地を通じても突出した上昇率であり、コロナ禍の2021年から2022年にかけて微減していた芝白金 地価が、いかに急速な回復と加速局面を迎えているかを数字が示している。
2026年 芝・白金の公示地価最新数値
港区芝 公示地価の最高地点は、田町駅から170mに位置する芝5丁目31番17(商業地)で805万円/㎡、坪単価に換算すると2,661万円を超える。変動率は+19.79%と、エリア平均をさらに上回る。芝3丁目6番9(芝公園駅前)も533万円/㎡、変動率+17.14%で続く。
白金 地価相場は、エリア平均で253万3,333円/㎡(坪単価837万円台)、前年比+15.70%。最高地点は白金高輪駅から200mの白金1丁目25番20で316万円/㎡、変動率+17.04%を記録した。芝エリアと白金エリアの平均値を並べると、坪単価で約2倍の開きがある。この差は容積率の違いに起因する部分が大きく、芝の商業地は容積率700%の地点が複数存在するのに対し、白金の住宅地は容積率200%前後が標準的だ。
白金台駅 地価は平均305万円/㎡(坪単価1,008万円台)、変動率+15.57%。最高地点は白金台3丁目16番10(白金台駅から180m)で548万円/㎡、変動率+16.60%に達する。白金高輪駅 周辺地価の平均は255万6,666円/㎡(坪単価845万円台)、変動率+15.85%。白金台駅周辺が白金高輪駅周辺を坪単価ベースで約20%上回っている点は、住宅地としての需要の厚みを反映している。
芝エリアと白金エリアの地価比較
同じ港区内でも、芝エリアと白金エリアでは地価の性格が根本的に異なる。芝は田町・大門・芝公園を軸とした商業・業務複合地区であり、容積率の高い商業地が地価水準を押し上げる。芝2丁目401番1の個別地点データを見ると、2026年公示地価は479万円/㎡(坪単価1,583万円)、前面道路は国道36m幅、容積率700%。純粋な住宅需要より、オフィスビルや複合施設の開発余地が価格を形成している。
白金は、住宅地としての静謐さと利便性を両立させた稀少エリアだ。白金1丁目から6丁目にかけて低層の邸宅街が続き、白金台には目黒通り沿いに大使館や公的機関が集積する。坪単価837万円台という数字は、麻布台や南麻布と同等以上の住宅地価格帯であり、富裕層の実需と相続対策目的の不動産保有が需要を下支えしている。
白金・白金台が東京都内屈指の高級住宅街である理由、2026年版では、この住宅地としての希少性と価格形成の背景をより詳しく分析している。白金台駅・白金高輪駅周辺の地価動向
白金台駅 地価が白金高輪駅 周辺地価を上回る構造は、2024年以降に明確になった。白金台3丁目16番10の548万円/㎡という最高地点は、周辺の住宅地平均305万円/㎡に対して約1.8倍の水準であり、駅至近の商業地的な評価が加わっている。
白金高輪駅は都営三田線と東京メトロ南北線の2路線が利用でき、大手町・永田町・六本木一丁目への直通アクセスが評価されている。駅周辺の平均255万円/㎡は住宅地としての純粋な評価であり、投資目的での取得では表面利回りより長期的な地価上昇率が判断基準になる。
白金エリア全体で見ると、2026年の公示地価は前年比+15.70%から+15.85%の範囲で収まっており、芝の+17.91%に比べて上昇率は穏やかだ。ただし、住宅地としての価格帯は既に高水準にあり、新規供給が極めて限られているため、成約価格は公示地価を上回るケースが多い。芝白金ヒルズ(港区白金台5丁目)の2026年4月時点の参考相場は3億5,432万円から7億4,887万円と報告されており、坪単価換算でも公示地価水準を大きく上回る実態がある。
芝白金の5年間の地価推移と上昇要因
芝エリア 地価推移を5年単位で整理すると、上昇の構造が見えてくる。
| 年 | 公示地価平均(芝エリア) | 前年比変動率 |
|—|—|—|
| 2021年 | 365万円/㎡ | -1.16% |
| 2022年 | 363万2,500円/㎡ | -0.47% |
| 2023年 | 373万5,000円/㎡ | +2.92% |
| 2024年 | 398万2,500円/㎡ | +6.62% |
| 2025年 | 448万7,500円/㎡ | +12.94% |
| 2026年 | 530万5,000円/㎡ | +17.91% |
2021年と2022年の微減は、コロナ禍による商業地需要の一時的な後退が主因だ。2023年から反転し、2025年から2026年にかけて加速している。5年間の累積上昇率は約45%に達する。
上昇を牽引する要因は複数ある。第一に、田町・芝浦地区の大規模再開発が継続していること。田町駅東口周辺では複合用途開発が進み、就業人口と居住人口の双方が増加している。第二に、外国人投資家による港区商業地への資金流入。円安局面での割安感が2023年以降の購買力を押し上げた。第三に、麻布台ヒルズの竣工(2023年11月)が港区全体の地価期待を底上げしたこと。麻布台 地価相場の平均は2026年時点で496万円/㎡(前年比+18.10%)であり、芝エリアと同等の上昇率を示している。
白金エリアの長期トレンドについても、2021年以降は一貫した上昇基調にある。住宅地としての供給制約と、高額所得者層の実需が安定した需要を形成しており、市況変動への耐性が高い。
近隣駅との地価比較(田町・三田・高輪ゲートウェイ)
芝白金 地価を周辺エリアと比較すると、港区南部の地価構造が立体的に見えてくる。
| エリア | 2026年公示地価平均 | 前年比変動率 |
|—|—|—|
| 田町駅周辺 | 563万円/㎡ | +18.87% |
| 三田駅 周辺地価 | 469万円/㎡ | +18.45% |
| 芝大門 地価 | 544万5,000円/㎡ | +17.15% |
| 麻布台 | 496万円/㎡ | +18.10% |
| 高輪ゲートウェイ駅 地価 | 341万7,500円/㎡ | +18.65% |
| 南麻布 地価 | 379万2,500円/㎡ | +15.99% |
田町駅周辺の563万円/㎡は港区南部で最高水準にあり、芝エリア平均530万円/㎡を上回る。ただし田町は商業・業務地の比重が高く、居住用途での取得は限定的だ。三田駅 周辺地価の469万円/㎡は芝エリアより低いが、変動率+18.45%は港区内でも高い部類に入る。
高輪ゲートウェイ駅 地価の341万7,500円/㎡は、再開発進行中のエリアとして今後の上昇余地が注目されている。変動率+18.65%は既に田町・三田を上回っており、品川駅北口エリアとの一体開発が完成に近づくにつれて、さらなる地価上昇が見込まれる。南麻布 地価の379万2,500円/㎡は住宅地としての純粋評価であり、白金エリアと近い水準感にある。
芝 路線価は公示地価の約80%が目安となる。芝エリアの公示地価530万円/㎡に対し、路線価の概算は424万円/㎡前後。この数字が相続税評価額の計算基礎となる。
相続税評価額と路線価の算定方法
芝 路線価と相続税評価額の関係は、不動産を保有する経営者・投資家にとって実務上の核心だ。国税庁の路線価は公示地価の約80%水準で設定されるのが慣行であり、芝エリアの公示地価530万円/㎡に対して路線価は概算424万円/㎡前後、白金エリアの公示地価253万円/㎡に対しては概算202万円/㎡前後が目安となる。
相続税評価額は路線価に土地の形状補正(奥行価格補正・不整形地補正等)を乗じて算出する。正方形に近い整形地であれば路線価に近い評価額になるが、旗竿地や不整形地では評価額が路線価を下回る。白金・白金台の邸宅街には大正・昭和期からの不整形地が多く、相続税対策の観点から評価額の圧縮余地を持つ物件が存在する点は、資産家層にとって重要な検討材料となる。
2026年の公示地価上昇率が+15%から+18%に達していることは、路線価の次回改定(通常7月公表)にも影響する。路線価が公示地価の上昇に追随して改定されれば、同じ土地の相続税評価額は前年比で10%から15%程度増加する計算になる。既に白金・芝エリアに土地・建物を保有している場合、相続税評価額の変動を踏まえた資産構成の見直しは、2026年中に着手するのが合理的だ。
港区白金・芝白金の地価と相場2026年――公示地価+15.7%の構造を読むでは、路線価改定のタイミングと相続税対策の具体的な論点を詳しく取り上げている。相続対策と不動産取得を同時に検討するクライアントには、Koukyuu のプライベート相談を活用することで、物件選定と税務上の観点を初回から一体的に整理できる。地価公示データの一次確認は、国土交通省「土地総合情報システム」での照合を推奨する。
Koukyuu は白金台・元麻布・南青山をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談)はこちらから。
