令和8年度路線価発表前、港区・渋谷区で評価乖離率が1.7倍に収束する条件
令和8年度路線価発表前、港区・渋谷区で評価乖離率が1.7倍に収束する条件
Koukyuu Realty
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港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。

2026年7月1日、国税庁は令和8年分の相続税路線価を公開する。この時期が近づくにつれ、港区・渋谷区・千代田区の資産家に共通する問いが増えている。路線価は上がるのか。上がれば相続税は増えるのか。それとも、これまでの節税余地が完全に失われるのか。

実際の数字で言えば、2026年3月18日に公表された地価公示によると、東京23区の商業地は前年比13.8%上昇、住宅地も5.7%上昇を記録した。路線価は公示地価の約80%を目安に設定される。単純計算で、これまでの乖離が維持されれば、相続税評価額は実勢価格の60%前後に留まる計算になる。

だが、計算はそう単純ではない。2024年1月の通達改正と、2026年1月から適用される「5年ルール」が、評価の構造を根本から変えている。

乖離率2.34倍から1.7倍への収束、実際の計算式

国税庁有識者会議の実態調査(平成30年基準)によれば、マンションの市場価格と相続税評価額の平均乖離率は2.34倍だった。戸建ては1.66倍。市場価格1億円のマンションが、評価額4,270万円で済んでいたことになる。

この乖離が「タワーマンション節税」として問題化し、2024年1月1日から新たな評価ルールが適用された。核心は「区分所有補正率」の導入だ。築年数、総階数、所在階、敷地権割合の4要素から、評価額を市場価格の最低60%まで引き上げる仕組みである。

2026年現在、港区の新築タワーマンションを例に計算すると、次のような収束が生じている。同物件の市場実勢価格5.4億円に対し、相続税評価額は3.2億円程度。乖離率は1.69倍に収まり、時価の60%という下限ラインに近づいている。2026年、相続税評価額と実勢価格の乖離が港区・渋谷区で縮小する条件で詳しく検証した通り、この数字は単なる理論値ではない。実際の相続事案で確認された評価額である。

2026年5年ルール、貸付用不動産の評価方法変更

令和8年度税制改正大綱(2025年12月公表)は、相続直前の不動産購入による節税に新たな規制を設けた。令和9年1月1日以後の相続から適用される「5年ルール」である。

内容は簡潔だ。相続開始前5年以内に取得・新築した貸付用不動産について、従来の路線価評価を適用せず、取得価額を基準に評価する。取得価額に地価変動等を考慮し、その80%相当額が評価額となる。

具体的に数値で示す。2024年に6億円で購入した賃貸用区分マンションを、2026年に相続する場合、従来なら路線価ベースで3億円台の評価額が可能だった。2026年の新ルールでは、購入価格6億円に地価上昇分を加味し、その80%が評価額となる。節税効果は大幅に縮小する。

さらに、不動産小口化商品(任意組合型等)は取得時期を問わず、恒常的に時価評価へ移行する。これらの改正は、評価額と実勢価格の乖離を利用したスキーム全体に楔を打つものだ。公示地価5年連続上昇の裏で、資産組み替えの5年ルールが富裕層に突きつける選択では、このルールが資産組み替えのタイミングに与える影響を分析している。

代償分割と遺留分、実勢価格が基準になる場面

相続税評価額と実勢価格の乖離が、最も痛い形で現れるのは、相続人間のトラブルである。特に代償分割と遺留分計算だ。

例を挙げる。路線価ベースで6,000万円、実勢価格で1億円の物件を相続する場合、相続税の計算では6,000万円が評価額となる。税負担は軽い。しかし、代償分割で他の相続人に現金を支払う場合、その計算基準は実勢価格の1億円となる。想定より4,000万円高い代償金が必要になる。

遺留分侵害額の計算も同様だ。遺留分は実勢価格を基準に算定される。路線価だけを見ていた遺言者は、数千万円単位の請求を予期せぬ形で受けることになる。

この構造は、高級不動産ほど顕著になる。港区・渋谷区のタワーマンションでは、評価乖離率が大きいため、税負担と相続人間の金銭負担のギャップが拡大する。事前のシミュレーションが不可欠だ。

令和8年路線価、公示地価からの予測と注意点

令和8年分の相続税路線価は2026年7月1日に公開される。国土交通省の地価公示(2026年3月18日)を基に予測すると、東京23区の上昇傾向は継続する見込みだ。

ただし、路線価と公示地価の関係には注意が必要。路線価は公示地価の約80%を目安とするが、これは単純な比例ではない。路線価は相続税計算の簡素化を目的としており、個別の物件特性を反映しない。公示地価が上昇しても、路線価の更新は年1回、7月1日の時点で固定される。

2026年の特殊な要素として、2024年1月の通達改正が2年目を迎える点がある。区分所有補正率の適用が常态となり、新築・高層・上層階のマンションでは、路線価の上昇と補正率の乗数効果が重なる。評価額の上昇幅は、地価上昇率を上回るケースが増える。

実勢価格の確認には、国土交通省の不動産情報ライブラリが有効だ。2024年4月にリニューアルされ、実際の取引価格を地図上で確認できる。レインズ(REINS)の成約情報も、相場感を掴む材料となる。

3億円を超える取引で生じる評価の複雑性

Koukyuuが対応する物件は、取扱下限3億円を基準とする。この価格帯では、相続税評価の複雑性が増す。単一のマンション区分所有ではなく、複数の区分所有、または戸建て、あるいは事業用不動産の組み合わせが想定されるからだ。

例えば、港区のタワーマンション2戸(各3億円、合計6億円)を相続する場合、それぞれの所在階・築年数・敷地権割合により、区分所有補正率が異なる。同じ建物内でも、評価額の計算式が2通り存在する。さらに5年ルールの適用有無により、取得時期が5年以内かどうかで評価方法が分岐する。

この複雑性は、専門家への依存を高める。税理士、宅建士、司法書士の連携が必要になる。Koukyuuは、物件取得段階からこの連携を支援する。相続を見据えた購入、あるいは相続発生後の適切な評価申告のために、有資格の宅建士が初回相談から引渡しまで一貫して同席する体制を持つ。マンション広尾台の坪単価が公示地価を大きく上回る、渋谷区東の新築価格形成では、広尾・渋谷区東エリアの価格形成メカニズムを別角度から検証している。

Koukyuuは麻布・広尾・白金をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談)よりお問い合わせください。

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