変動金利・固定金利・固定金利選択型、2026年4月の選び方
変動金利・固定金利・固定金利選択型、2026年4月の選び方
Koukyuu Realty
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Koukyuu 宅地建物取引士 記事監修アドバイザー

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港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。

2026年4月、みずほ銀行の変動金利(最優遇)が1.025%、三菱UFJ銀行が0.945%、三井住友銀行が1.275%。大手5行の変動金利平均がついに1%の大台を超えた。フラット35の最低金利は2.490%(前月比0.24%上昇)、10年固定の大手5行平均は3.154%と9ヶ月連続で上昇中だ。

2024年3月のマイナス金利解除から2年が経過し、日銀の政策金利は0.75%まで上がった。30年ぶりの水準である。ブルームバーグの調査では、エコノミストの約9割が「2026年6〜7月までに追加利上げ」を予想しており、野村證券は2026年6月・12月の2回の追加利上げで政策金利が1.25〜1.5%に達するシナリオをメインに置く。変動金利と固定金利のどちらを選ぶかは、単なる月次返済額の比較を超えた資産戦略上の判断になっている。

変動金利・固定金利・固定金利選択型とは何か

住宅ローンの金利タイプは大きく三つに分類される。

変動金利は、短期プライムレートに連動して半年ごとに金利が見直される。現在の低水準を享受できる一方、将来の金利上昇リスクを借り手が負う。 固定金利は、借入期間中ずっと同一金利が適用される。フラット35が代表例で、返済額が完済まで変わらない。金利水準は変動金利より高いが、将来の不確実性を排除できる。 固定金利選択型(当初固定型)は、一定期間(3年・5年・10年など)の金利を固定した後、変動金利または再度の固定金利に切り替える金利タイプだ。変動と固定の中間的な性格を持ち、切り替え時の金利環境によって有利にも不利にもなる。固定期間終了後の条件変更をあらかじめ想定しておくことが前提となる。

2026年4月時点の金利タイプ別コスト比較

借入3,000万円・35年・元利均等返済のシミュレーションで三つのタイプを比較する。

金利タイプ適用金利月返済額総返済額
変動金利(大手行平均)1.025%約85,036円約3,571万円
フラット35(最低)2.490%約107,000円約4,494万円
10年固定(大手行平均)3.154%約118,049円約4,958万円

変動金利の月返済額がフラット35より約22,000円低い計算だが、この差は金利上昇によって縮小する。変動金利が2.025%に上昇した場合、月返済額は約99,764円、総返済額は約4,190万円となり、フラット35との差はほぼ消える。

借入5億円規模では変動・固定の金利差1.5%が年間750万円のキャッシュフロー差に直結する。住宅ローン 富裕層が2026年4月に直面する金利上昇と資金戦略の選択肢で詳述している。

変動金利のメリットとデメリット

メリットは現時点での返済額の低さだ。大手行平均1.025%という水準は、固定金利と比べて月次コストを大幅に抑える。手元流動性を確保しながら別途金融資産で運用する戦略と組み合わせやすい点も、資産規模の大きい借り手にとって評価される。 デメリットは金利上昇リスクの全負担だ。大手行の変動金利には「5年ルール」と「125%ルール」という二つの仕組みが組み込まれており、構造を理解せずに利用すると想定外の事態を招く。

5年ルールとは、金利の見直しは半年ごとに行われるものの、返済額の変更は5年ごとにしか実施されないという仕組みだ。金利が上昇しても返済額への反映が最長5年間先送りされ、その間に未払利息が発生して残高が増えるケースがある。125%ルールは、5年後の返済額上昇幅を前回の1.25倍以内に抑える上限規定だが、上限を超えた金利上昇分は完済時期の延長または最終返済時の一括精算として現れる。

ソニー銀行・SBI新生銀行・PayPay銀行などのネット銀行はこれらのルールを適用していない。金利上昇が即時に返済額へ反映されるため、家計への影響がより直接的になる点を事前に確認しておく必要がある。

固定金利を選ぶ理由とメリット・デメリット

固定金利を選ぶ理由として最も明確なのは、返済額の確定性だ。2026年4月時点でフラット35の最低金利は2.490%と変動金利より1.4〜1.6%高いが、その差は将来の不確実性に対する保険料と捉えることができる。

メリットは返済計画の安定性にある。収入見通しが不確定な時期、たとえば事業の拡大投資を控えているケースや、相続対策として複数物件を保有する計画がある場合、返済額が固定されていることで資産計画全体の予測精度が高まる。住宅ローン控除の適用期間(新築住宅で最大13年間、年末ローン残高の0.7%)を最大限活用しながら繰り上げ返済のタイミングを計画的に設計したい場合も、固定金利の方が管理しやすい。野村證券の利上げシナリオ(政策金利1.25〜1.5%)が実現した場合でも、返済額の変更が一切生じない点は資産計画の安定性に直結する。 デメリットは、変動金利が低水準にとどまった場合の相対的な割高感だ。金利が上昇しなければ、固定金利利用者は余分なコストを負担し続けることになる。

2026年4月1日、住宅金融支援機構はフラット35の融資限度額を8,000万円から1億2,000万円に引き上げた。対象床面積要件も70㎡以上から50㎡以上に緩和されており、港区・渋谷区・千代田区といったエリアで3億円超の物件を取得する際にフラット35を活用できる局面が広がった。

固定金利選択型の金利水準とメリット・デメリット

固定金利選択型の金利はいくらかという点について、2026年4月時点では10年固定の大手5行平均が3.154%だ。3年固定は概ね2.0〜2.5%、5年固定は2.3〜2.8%の水準で推移している。

メリットは、固定期間中の返済額安定と、期間終了後の金利環境次第で有利な条件への変更が可能な点だ。数年以内に収入増加や資産売却が見込まれており、固定期間終了後に一括返済または大幅な繰り上げ返済を計画している場合、固定期間中の返済額を確定させながら期間終了後の選択肢を残しておける点が評価される。 デメリットは、固定期間終了時の金利リセットリスクだ。現在の10年固定平均3.154%という水準は、フラット35(2.490%)より高い。固定期間終了後に変動金利へ移行した場合、その時点の金利水準が現在より高ければ、当初の想定を大きく超えるコストが発生する。固定金利選択型を選ぶ際は、切り替え後のシナリオを複数想定しておくことが不可欠だ。

変動・固定・選択型、誰がどれを選ぶべきか

金利タイプの選択は、借り手の属性と資産構成によって合理的な答えが変わる。

変動金利が適しているケースは、手元流動性が十分にあり、金利上昇局面でも繰り上げ返済や借り換えを機動的に実行できる資産基盤を持つ場合だ。運用資産の利回りが変動金利水準を上回っている場合、低コストの変動金利で借り続けながら資産運用を継続する戦略が有効になる。 固定金利が適しているケースは、収入の変動が大きい事業主や、複数物件の取得・相続対策を並行して進めており、住宅ローンの返済額を定数として資産計画に組み込みたい場合だ。 固定金利選択型が適しているケースは、固定期間終了後に大幅な繰り上げ返済または一括返済を計画しており、それまでの期間だけ返済額を確定させておきたい場合だ。ただし、期間終了後の条件変更リスクを正確に把握した上で選択することが前提となる。

住宅金融支援機構の2024年度調査では、変動金利利用者の割合が77.9%に達している。2025年1月の利上げ後、利用予定者の約6割が「借入額の減額・返済期間の短縮・固定金利への見直し」を検討したとされる。この数字は市場全体の心理的転換点を示している。

借り換えと条件変更の判断基準

既存の変動金利ローンを固定金利に借り換えるべき水準として、ダイヤモンド不動産研究所は「変動金利が2.55%に達したシナリオ」を一つの目安として示している。現在の水準(大手行平均1.025%)からさらに1.5%超の上昇が必要であり、野村證券の利上げシナリオが実現しても、直ちに借り換えが有利になるとは限らない。

借り換えを検討する前に試みるべき手段が、既存の借入先との金利交渉(条件変更)だ。費用は数万円程度で、回収期間は約1年が目安とされる。借り換えの場合、諸費用の目安は120万円程度で、回収期間が5年以内であれば実行の合理性が高い。10年を超える場合は慎重な判断が必要になる。

3億円超の取得で判断がどう変わるか

フラット35の融資限度額が1億2,000万円に引き上げられたとはいえ、3億円超の取得では複数の融資を組み合わせる設計が現実的だ。プライベートバンクや外資系金融機関の融資条件は一般の住宅ローンとは金利体系が異なり、変動・固定・選択型の選択肢も多様になる。

住宅ローン控除の控除上限は借入残高に上限があるため、借入規模が大きくなるほど控除の恩恵は相対的に小さくなる。繰り上げ返済による控除額の減少を気にする必要性が低下し、金利コスト最小化を優先した戦略を取りやすい。

資産規模の大きいクライアントは住宅ローンを単体で考えず、証券担保型融資や法人名義での取得と組み合わせて全体の資金効率を最適化するケースが増えている。変動・固定・選択型の三択は、借入構造全体の設計が固まった後に最終判断する性格のものだ。

2026年4月の金利環境は、その判断を先送りできない局面に来ている。


Koukyuu は港区・渋谷区・千代田区をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談はこちらから。

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