代官山の坪単価が1,700万円を超えた日、渋谷区の再開発が完成する
代官山の坪単価が1,700万円を超えた日、渋谷区の再開発が完成する
Koukyuu Realty
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Koukyuu 宅地建物取引士 記事監修アドバイザー

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港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。

2026年3月、渋谷区代官山町の新築分譲マンション「グランドメゾン代官山the park」が竣工から2年を経て、㎡単価514万円、坪単価換算で約1,700万円を記録した。これは渋谷区内1,617棟中2位、東京都3万棟中17位の高単価に相当する。築2年の中古流通でこの水準に達した背景には、渋谷区の再開発完成と低層住居専用地域という二重の供給制約がある。

2026年の公示地価と実勢相場の乖離

2025年公示地価において、代官山エリアは前年比+12.92%の上昇を示した。2026年の推計では㎡単価385万円、坪単価換算約1,273万円に達し、前年比+18.0%の伸びを見込む。だがこの数字はあくまで公示地価であり、実勢相場はさらに乖離している。

2026年1月時点の中古マンション実勢は前年比+18.0%上昇。駅近・タワー物件では坪単価1,000万円から2,000万円超での成約が一般化した。特筆すべきはヴィンテージマンションの動向である。1971年築の「代官山マンション」は築55年を超えても坪単価500万円から600万円台で取引され、リノベーション済みの住戸では坪単価1,500万円超の事例も確認される。

この乖離の構造は明確だ。公示地価は路線価に基づく評価額である一方、実勢価格は希少性と利便性、そしてブランド力で形成される。代官山においては、駅徒歩5分圏内のタワーマンションと低層住居専用地域内のヴィンテージマンションが、全く異なる価格形成メカニズムを持ちながら、いずれも高値を維持している。

渋谷区再開発の完成と「広域渋谷圏」の効果

2026年は「広域渋谷圏(Greater SHIBUYA)」構想の完成元年とも言える。渋谷駅周辺の再開発に加え、恵比寿・代官山が徒歩で繋がるウォーカブルな街づくりが実現した。2023年末に竣工した「Forestgate Daikanyama」(隈研吾設計)は「木と緑」の建築として街のランドマークとなり、周辺のリノベーション・建て替えを加速させた。

この再開発の効果は単なる景観改善にとどまらない。代官山駅から渋谷駅までの歩行者動線が整備されたことで、商業施設・オフィス・住宅の複合的な価値が再評価された。特に外資系企業の幹部や、金融・IT業界の経営層にとって、代官山は「働く場」と「住む場」の距離が最適化されたエリアとして認識されている。

麻布台ヒルズレジデンスBの例に見られるように、都心の大型再開発は周辺の住宅価格に波及効果をもたらす。代官山の場合、この効果が低層住居専用地域という規制によって供給側で抑制されているため、価格上昇圧力がさらに強まっている。

低層住居専用地域と供給制約の現実

渋谷区代官山町・猿楽町・鉢山町エリアの大部分は低層住居専用地域に指定されている。建蔽率60%、容積率150%ないし200%の制限下では、タワーマンションの開発は物理的に不可能だ。この規制が代官山の「閑静な住宅街」という特性を守りつつ、同時に資産価値の向上要因ともなっている。

供給制約の中で新たに供給されるのは、大規模修繕・リノベーションによる既存ストックの質的向上に限られる。2024年から2026年にかけて、築30年以上のヴィンテージマンションにおける大規模修繕の計画が相次いでいる。これらの物件はリノベーション後、築年数をものともしない価格で流通する。

代官山アドレスザ・タワーは2026年2月に3億980万円(87.99㎡、1LDK)、3月には5億9800万円(120.2㎡、2LDK)の価格で販売された。タワーマンションの供給が限られる中、これらの価格は妥当な水準として受け止められている。

税制環境と高額物件の取得戦略

2026年度税制改正大綱(国税庁2025年12月発表)において、不動産関連の主要な変更は限定的に留まった。相続税・贈与税の小規模宅地等の特例は継続。譲渡所得税の居住用財産3,000万円特別控除と軽減税率(1,000万円超部分14%→20%)の要件緩和は見送られた。

代官山エリアの高額物件(1億円超)を取得する場合、譲渡所得の課税分離(原則20.315%)が適用されるケースが増加する。節税効果を最大化するには、取得時の登記簿上の価格設定と、将来の譲渡時の課税ベースを総合的に設計する必要がある。

特に注目すべきは不動産取得税の軽減措置である。2026年3月31日までの取得分に適用される住宅取得に係る軽減措置の延長が検討されているが、高額物件の場合、軽減額よりも評価額の適正化が課税額に与える影響が大きい。

ジオグランデ白金台の事例のように、港区・渋谷区の境界に位置する物件は、区による固定資産税評価額の差異も考慮に入れるべき要素だ。

ヴィンテージマンションの資産価値とリノベーション

築50年を超えるヴィンテージマンションが坪単価1,500万円で取引される現象は、代官山特有の市場構造を示している。1971年築の「代官山マンション」は鉄骨鉄筋コンクリート造の頑丈な構造と、低層住居専用地域内の低層性を併せ持つ。大規模修繕とインテリアリノベーションにより、新築と遜色ない居住品質を実現している。

この動向の背景には、新築高級マンションの坪単価1,700万円超という価格水準がある。リノベーション費用を加算しても、ヴィンテージ物件の方が総コストを抑えられるケースが増えた。さらに、築年数に応じた固定資産税の減額措置も、運用コストの観点から有利に働く。

ただし、ヴィンテージマンションの取得にはデューデリジェンスが不可欠。修繕積立金の残高、大規模修繕の実施履歴、管理組合の運営状況を精査する必要がある。特に低層住居専用地域内の物件は、建て替えの際の容積率制限が事業性を左右する。

グランドメゾン白金の杜ザ・タワーのような新築タワーと、ヴィンテージ低層マンションの選択は、投資目的・居住目的・相続目的によって最適解が分かれる。代官山エリアでは、この両極の物件タイプがそれぞれの市場を形成している。

駅近物件の定義変容と利便性の再評価

代官山駅周辺の駅近物件の定義が変化している。従来の「駅徒歩5分以内」という基準は、広域渋谷圏の完成により意味を失いつつある。恵比寿駅徒歩10分圏内、あるいは渋谷駅徒歩15分圏内が、新たな「駅近」の範囲として認識されるようになった。

この変容は物件選定の戦略にも影響する。代官山駅からやや離れたエリアでも、渋谷・恵比寿へのアクセスが良好であれば、資産価値は維持される。逆に、代官山駅に近接しながらも、周辺商業施設との動線が不便な物件は、相対的に評価を下げるリスクがある。

2026年5月現在、代官山駅周辺の中古マンション掲載物件は、1Kから3LDKまで多様な間取りが混在する。価格帯は7,480万円(46.6㎡、築41年)から6億円超(タワー物件)まで幅広く、エリア内での格差が拡大している。

Koukyuu は麻布・広尾・白金をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談)より。

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