築20年の中古マンション、固定資産税は新築時の半分になる
築20年の中古マンション、固定資産税は新築時の半分になる
Koukyuu Realty
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Koukyuu 宅地建物取引士 記事監修アドバイザー

Koukyuu所属の宅地建物取引士が監修

港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。

2026年5月、東京都内の中古マンション取引は引き続き活況を呈している。新築マンションの価格高騰と供給不足を背景に、築20年前後の物件が資産価値の安定性と収益性の観点から再評価されている。こうした動きの中、購入検討者の関心が集まるのが固定資産税の実額である。築年数が進むことで税負担がどう変化するか、2026年時点の制度を基に具体的に検証する。

中古マンションの課税構造:土地と建物の分離評価

マンションの固定資産税は、土地部分と建物部分を別々に評価して合算する。標準税率は1.4%で、東京都内のほとんどの自治体がこの税率を採用している。

土地部分には「住宅用地の特例」が適用される。200㎡以下の小規模宅地は課税標準額が1/6に、それを超える一般宅地は1/3に軽減される。この特例は無期限で継続しており、2026年時点でも変更はない。港区や渋谷区の高額地においても、この特例の存在が実効税率を大幅に抑えている。

建物部分の評価額は、新築時の再建築価格基準額から経年減価補正率を乗じて算出する。ここに中古マンションの節税効果の核心がある。法務局が定める経年減価補正率表によれば、非木造建築物は築10年で0.7397、築20年で0.5059、築30年で0.3061と評価額が低下し、築45年以降は0.2000で固定される。

築年数別の税額シミュレーション

具体的な数値で検証する。新築時の建物評価額2,800万円、土地評価額1,200万円(合計4,000万円)のマンションを想定し、2026年時点の固定資産税を試算する。

築20年の場合、建物評価額は2,800万円×0.5059で約1,416万円に低下。建物部分の税額は約19.8万円となる。土地部分については、小規模宅地の特例を適用し約2.8万円。合計で年間約22.6万円である。

築30年になると建物評価額は約857万円、税額は約12.0万円にまで低下。土地部分を加えた総額は約14.8万円となる。築20年から30年の10年間で、税負担は34%減少する。

築40年では建物評価額が約583万円、税額は約8.2万円。総額は約11.0万円に落ち着く。築45年以降は評価額が下限の0.2000に固定され、建物部分の税額は約7.8万円で横ばいとなる。

このシミュレーションから明らかなのは、築20年時点で新築時と比較して建物部分の税額が約半減し、その後も漸減を続ける点である。ただし、土地部分の評価額は地価の変動に応じて見直しが行われるため、都心3区など上昇エリアでは土地部分の税負担が増加するケースもある。

経年減価補正率の下限と評価額の行方

経年減価補正率には明確な下限が設定されている。築45年で0.2000に到達し、それ以降はこの数値が維持される。つまり中古マンションの建物評価額は、新築時の最大20%までしか低下しない。

この下限の存在は、築古物件の税負担がゼロにならないことを意味する。築50年、築60年となっても、建物部分には新築時の2割に相当する評価額が課され、それに1.4%の税率が適用される。

ただし、実務上はこの下限値が必ずしも厳密に適用されるわけではない。大規模修繕やリニューアル工事により建物の価値が回復した場合、評価額の見直しが行われる可能性がある。また、固定資産税の評価替えは3年ごとに実施されるが、個別の価値変動が反映されるタイミングには地域差が生じる。

2026年適用の軽減・減税制度

中古マンションの購入後に適用可能な税制優遇が存在する。最も実効性が高いのが、リフォームに連動した固定資産税の軽減措置である。

「省エネ改修の軽減」は、窓の断熱改修や高効率給湯器の設置など一定の要件を満たす工事を行った場合、翌年度の固定資産税額が1/3減額される。適用期限は2031年3月31日までとなっており、2026年時点で5年間の猶予がある。

「長期優良住宅化リフォーム」は、より包括的な性能向上工事を対象とする。耐震性、バリアフリー性、省エネ性など複数の基準を満たす改修を行うと、翌年度の税額が2/3減額される。こちらも2031年3月31日まで適用される。

これらの制度は中古マンション購入後のリフォームと組み合わせることで、初期の税負担を大幅に圧縮できる。ただし、軽減は翌年度のみ適用され、永続的な減税にはならない点に留意が必要である。

新築軽減措置との比較と中古の優位性

新築マンションには中古にはない軽減措置が存在する。耐火構造で3階建て以上の建物は、建物部分の固定資産税が5年間1/2減額される。認定長期優良住宅であれば7年間の適用となる。

この新築軽減措置は中古マンションには適用されない。しかし、築10年前後の中古物件であれば、経年減価補正率0.7397による自然な評価額低下が、新築軽減の効果を上回るケースがある。

具体的に比較する。建物評価額2,800万円の新築マンションは、軽減措置により5年間は年間約19.6万円の税額となる。一方、築10年の同規模中古マンションは評価額が約2,071万円に低下し、年間約29.0万円となる。ここでは新築の方が有利に見える。

だが築15年になると中古の評価額は約1,600万円、税額は約22.4万円に低下。新築軽減の5年間終了後(標準税率適用時の約39.2万円)と比較すると、中古の方が約17万円低くなる。保有期間を10年以上見込む場合、中古物件の税負担は累積で新築を下回る。

タワーマンションの階差課税と中古の優位性

2018年以降に新築された高さ60mを超えるタワーマンションには、階差課税が適用される。階数が上がるごとに税額が段階的に増加し、最上階では標準の1.5倍まで課税される。

この階差課税は2017年以前に建築されたタワーマンションには適用されない。つまり、六本木ヒルズレジデンスや麻布台ヒルズレジデンスの2018年以降のタワー棟は対象となるが、同規模の2010年代前半の物件は対象外となる。

中古タワーマンション購入の際、この階差課税の有無は重要な検討要素である。30階以上の高層階を検討する場合、新築物件と築10年前後の中古物件では、固定資産税だけで年間数十万円の差が生じる可能性がある。

富裕層が見落としがちな実務的ポイント

固定資産税評価額の確認方法について、多くの購入検討者が誤解している。評価額は「固定資産税評価証明書」で確認できるが、これは物件所有者しか取得できない。購入前に正確な税額を把握するには、売主の開示に依存するか、過去の納税通知書の写しを請求する必要がある。

また、贈与税の計算において、令和6年1月1日以降の取得分からは新たな評価方法が適用される。マンションの贈与税評価額は、固定資産税評価額に区分所有補正率を乗じて算出する。この変更により、高額マンションの贈与税負担が増加するケースがある。相続税評価額との乖離が縮小し、節税効果が低下する可能性に注意が必要である。

さらに、管理費・修繕積立金とのトレードオフも見逃せない。築年数が進むと固定資産税は低下するが、大規模修繕の周期が近づくと積立金が増額される。築20年前後の物件では、修繕積立金の値上げが固定資産税の減額を上回るケースも珍しくない。

Koukyuu は、こうした複数のコスト要素を統合的に評価し、長期的な資産コストを試算する支援を行っている。港区・渋谷区・千代田区の高額物件において、税負担と維持コストのバランスを最適化する視点が特に重要となる。

2026年の市場環境と購入タイミング

2026年時点の東京マンション市場では、新築物件の供給不足が続いている。都心3区の新築マンション平均価格は2026年3月時点で1億2,840万円と、前年同月比で8%上昇している。こうした状況下、築10年から20年の中古物件は価格安定性と節税効果の両面で再評価されている。

ただし、中古マンションの選定には法務的・物理的デューデリジェンスが不可欠である。管理組合の運営状況、修繕積立金の適正性、過去の紛争有無など、評価額や税額だけでは判断できない要素が多数存在する。

Koukyuu は麻布・広尾・白金をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談)より。

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