
Koukyuu所属の宅地建物取引士が監修
港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。
2026年3月、千代田区の中古タワーマンション(築20年以内・20階建て以上)が70㎡あたり3億930万円を記録した。マーキュリーの調査によれば、これは前年同月比で下落した数値である。22ヵ月連続の上昇傾向に終止符が打たれた。
この変化は港区でも同様に観測され、都心2区に初めて在庫圧力による価格調整の兆候が現れた。東京カンテイの2026年2月データは、都心部の価格改定シェアが直近ピーク目前に達したことを示している。37ヵ月ぶりの転換点である。
新築市場の二重構造
2025年の東京23区新築分譲マンション中央値は1億1,380万円に達した。前年比27.3%の上昇である。不動産経済研究所の発表によれば、首都圏全体の平均価格は9,182万円(前年比17.4%)となった。
この乖離は供給制約の結果である。2024年度の首都圏販売戸数は2万2,239戸で、1973年の調査開始以来過去最少となった。建築コストの高騰と用地不足が、開発を「億ション」へと厳選させた。
一方で、三井不動産リアルティの2025年10-12月期調査は、プレミアムマンションの成約坪単価が1,335万円に達したことを報告している。前年同期比17.4%の上昇で、集計開始以来の最高値である。銀座エリア、番町、麹町、飯田橋エリアがこの最高値を牽引した。
新築市場は価格帯で二層化している。一般的な新築は供給減少で価格が押し上げられ、エリア限定のプレミアム物件はさらに高値を更新している。
中古タワーマンションの再評価
中古タワーマンション市場は新築とは異なる動きを見せている。2026年3月時点で、70㎡あたりの平均価格は千代田区で3億930万円、港区で3億2,580万円となった。両区とも前年同月比で下落している。
この反落は在庫積み上がりの反映である。東京カンテイは、都心部で価格改定が活発化し、一部エリアで22ヵ月連続の上昇が終わったと分析している。買主の選択肢が増えた結果、価格交渉の余地が生まれた。
中古タワーマンションの価値評価は、築年数と管理状態の精査を要する。新築分譲時の坪単価と現在の坪単価の比較、修繕積立金の推移、大規模修繕の実施時期が具体策を左右する。
ジオ市谷仲之町 201 のような物件は、千代田区の中古市場における資産性の実例として参照される。築後の管理品質と立地の組み合わせが、価格下落局面でも相対的な強さを保つ。エリア別の動向差異
千代田区内でもエリア間の差異は顕著である。番町、麹町、飯田橋、銀座エリアはプレミアムマンションの成約高値を更新し続けている。一方で神田、岩本町周辺では価格改定の頻度が増加している。
半蔵門エリアでは、2026年4月に分譲開始された物件が124戸規模で2028年4月の竣工を予定している。総戸数の規模感と竣工時期は、周辺の中古市場に供給ショックを与える可能性がある。
飯田橋では、2026年1月完成の物件が1億8,490万円で価格改定されている。中央・総武線「飯田橋」駅から7分、東京メトロ東西線から4分というアクセスが、価格の底上げ要因となっている。
エリア選びの基準は、駅距離よりも周辺の再開発計画と既存ストックの質に移行している。神田エリアではCK11222のように、2026年6月竣工予定の新築が徒歩2分圏に供給される。これは中古市場のプライシングに圧力をかける。
法人購入と節税構造の再検討
マンション価格の高騰は、法人による購入を増やしている。千代田区の物件は相続税評価額と実勢価格の乖離が大きく、節税効率が高い。だが価格下落兆候は、この構造の前提を揺らがせている。
法人スキームの収益性は、賃貸需要の安定性に依存する。千代田区の賃貸市場は、官庁街とビジネス街の混在により、単身向けからファミリー向けまで需要が分散している。2026年の新築賃貸供給は、小石川レジデンスなどで31.72㎡の1LDKが22.7万円で成立している。
購入検討時に確認すべきは、固定資産税評価額の更新サイクルと、都市計画税の課税標準である。価格下落局面では、取得時の価格が将来の減価償却の基礎となる。高値で取得した場合、売却時の譲渡損失リスクが増大する。
シティタワー麻布十番 の事例は、価格下落局面における資産保全の参考となる。5億2,200万円での3LDK取引は、エリアの希少性と物件のブランド力が相場を支えた結果である。2026年後半の市場展望
新築供給の制約は2026年後半も続く。麹町山王マンション建替計画や、岩本町2丁目のホテル新築工事など、用地転用が進行している。純粋な分譲マンション供給は限定的である。
在庫調整の進行具合が、中古市場の価格トレンドを決定する。東京カンテイのデータは、価格改定のシェアがピークに近づいていることを示唆している。これは買主にとって交渉余地の拡大を意味する。
プレミアムマンション市場は、三井不動産リアルティの調査通り、引き続き高値更新の可能性がある。ただし対象エリアは番町、麹町、飯田橋、銀座エリアに限定される。これ以外のエリアでは、新築価格と中古価格の逆転現象が生じつつある。
購入タイミングの判断材料として、在庫月数と価格改定率のモニタリングが有効である。個別物件のデューデリジェンスでは、管理組合の財務状況と、近隣の再開発計画の確認が不可欠になった。
Koukyuu は千代田区・番町・飯田橋をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談)はこちらより。
