
Koukyuu所属の宅地建物取引士が監修
港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。
2026年4月時点で、国内主要2社の暗号資産担保ローンにおける融資上限はそれぞれ5億円、最低貸付利率は年率4.0%から設定されている。有価証券・売掛債権・在庫・機械設備・不動産まで多様な資産を担保とした資金調達手法、すなわちアセットバックローン(ABL)への関心が富裕層・経営者層で高まっている背景には、令和8年度税制改正大綱における暗号資産の申告分離課税適用という制度変更がある。
Asset Backed Loanとはどういう意味か:ABLの基本定義
Asset Backed Loanとは、企業や個人が保有する資産の価値・キャッシュフローを担保および返済原資として活用する融資手法の総称である。英語では「Asset-Based Lending」とも表記され、日本語では「資産担保融資」と訳されることが多い。銀行プロパー融資が企業全体の信用力や財務状況を審査の主軸とするのに対し、ABLは「担保資産それ自体の評価」が融資可否を決定する。
担保の対象は土地・建物に限らない。売掛債権、在庫、機械設備、有価証券、暗号資産、知的財産まで、価値評価が可能でキャッシュフローを生む資産であれば理論上すべて対象となりうる。日本政策投資銀行(DBJ)もABLを「流動資産を担保として活用する金融手法」と定義し、中堅・中小企業向けに提供している。
アセットバックボンドとは何かについても整理しておく。ABL(融資)と混同されやすいABS(Asset-Backed Securities)は、資産を裏付けとした証券化商品であり、住宅ローン債権・自動車ローン債権などを束ねて投資家に販売する仕組みだ。「アセットバックボンド」はこのABSの一形態で、特定資産のキャッシュフローを裏付けとして発行される債券を指す。借り手の立場からすれば、ABLは「融資を受ける」行為であり、ABSは「保有債権を証券化して資金調達する」行為である。
担保資産の種別と担保掛目
ABLの実務において重要なのは、担保資産の種別ごとに設定される担保掛目(LTV)である。米国ABL市場の実績値を参照すると、有価証券が90%、売掛債権が85%、機械設備が70〜80%、不動産が55〜70%、在庫が25〜50%という水準が中間値として示されている。
不動産担保ローンの実態
不動産担保ローンについて率直に評価すると、土地・建物を担保とする融資は最も歴史が長く、国内金融機関の取扱件数も最大である。担保掛目は55〜70%が標準的で、物件の収益性・流動性・立地によって評価が変わる。融資額の大きさと金利水準の低さが主なメリットで、都心高額物件であれば数億円規模の調達が可能、金利は年率1〜3%台から設定されるケースが多い。
デメリットは審査期間の長さと手続きコストである。抵当権設定登記費用・司法書士費用・不動産鑑定費用が発生し、審査から実行まで1〜2カ月を要することが一般的だ。担保物件の価値下落時には追加担保を求められるリスクもある。不動産担保ローンの活用方法と活用事例:2026年版実務ガイドでは港区・渋谷区の高額物件を対象とした具体的なスキームを整理している。
有価証券担保ローン
上場株式・投資信託・債券等を担保とする証券担保ローンは、担保掛目が90%前後と高く設定されるケースが多い。含み益のある有価証券を売却せずに資金調達できるため、譲渡益課税(約20.315%)の繰り延べ効果がある。プライベートバンク住宅ローンの選択肢と証券担保型融資の実務でも詳述しているが、富裕層がポートフォリオを維持しながら不動産購入資金を手当てする手法として定着している。
売掛債権・在庫を担保とする動産担保融資
製造業・卸売業・小売業が主な利用者となる。売掛債権を担保にした融資はファクタリングと混同されることがあるが、ファクタリングが債権の売買(所有権移転)であるのに対し、ABLは融資契約であり、デットファイナンスの性格を持つ。在庫を担保とする場合の担保掛目は25〜50%と低めに設定されるため、在庫回転率の高い業種ほど活用効果が出やすい。
資本性劣後ローンのメリット・デメリット
資本性劣後ローンは、経営者層が資金調達を検討する際にABLと比較対象として浮上する手法である。返済順位が一般債権より劣後するため、金融機関が自己資本に準じる扱いをする点が最大の特徴だ。
メリットは財務上の見た目が改善される点にある。金融機関の審査において自己資本比率が向上するとみなされるため、追加融資を受けやすくなる。日本政策金融公庫や民間金融機関が提供しており、スタートアップ・再生局面の企業に活用実績がある。
デメリットは金利水準の高さと使途制限である。資本性劣後ローンの金利は年率2〜5%台が多く、通常の担保付き融資より高い。業績連動型の金利設定が採用されるケースもあり、収益が改善すると返済負担が増す構造になっている。担保を差し入れる必要がない反面、財務制限条項(コベナンツ)が厳しく設定されることが多い。富裕層・経営者層にとっては、ABLと資本性劣後ローンは目的と財務状況に応じて使い分ける選択肢となる。
暗号資産担保ローン:2026年の税制変更が変えるコスト構造
2026年に最も注目すべき変化は、令和8年度税制改正大綱に盛り込まれた暗号資産への申告分離課税適用である。現行制度では暗号資産の売却益は雑所得として総合課税の対象となり、最大55%(所得税45%+住民税10%)が課される。改正後、金融商品取引法上の「特定暗号資産」に該当する銘柄については一律20.315%の分離課税が適用される見込みだ。施行時期・対象銘柄の範囲・海外取引所の取扱いは2026年4月時点で未確定である。
現行制度下でのABL活用の論理は明快である。含み益のあるビットコインを売却すれば最大55%が課税される。担保に差し入れて融資を受ける場合、担保差入時・借入実行時・返済時のいずれにも課税は生じない。所有権が移転しないためである。課税が発生するのは担保不足による強制清算(ロスカット)時のみで、この場合は「売却」と同扱いとなる。
国内で貸金業登録を持つ主要2社の条件は以下のとおりである。Fintertech株式会社(東京都知事(3)第31772号、大和証券グループ80%・クレディセゾン20%出資)は融資額500万円〜5億円、実質年率4.0%〜8.0%、担保掛目50%、対応通貨はBTCとETH。汐留トラスト株式会社は融資額500万円〜5億円、年率6.0%〜15.0%、対応通貨はBTCのみで、法人・個人事業者を対象とする。Fintertechは個人も利用可能で、返済方式は元利一括(1年満期)のロールオーバーが可能である。
申告分離課税が施行された後は、現行制度下での課税先送り効果(55%分)と証券担保ローン(約20.315%分)の差が縮小する。制度移行前の戦略的活用を検討するなら、2026年内の意思決定が実質的な期限となる。
富裕層・経営者層の主要活用パターン4類型
ABLが資産家層に支持される理由は、既存資産を売却せずに流動性を確保できる点にある。主要な活用パターンを整理する。
①不動産購入資金の調達。 Fintertechの「不動産購入用ローン」は貸金業法第13条の2の例外として総量規制対象外となる。年収基準に関係なく、担保暗号資産の評価額ベースで融資額が決定するため、都心高額物件の頭金・購入資金として機能する。 ②納税資金の確保。 資産管理会社が保有するBTCに含み益がある場合、売却せずに担保ローンで法人税・消費税の納付資金を手当てできる。Fintertech公式サイトでも活用事例として掲載されている。 ③売掛債権の流動化。 事業会社が保有する売掛債権をABLの担保として活用し、入金サイクルを待たずに運転資金を確保する。担保掛目85%という水準は、ファクタリングの手数料コストと比較した際の経済合理性を示している。 ④証券担保ローンとの組み合わせ。 有価証券ポートフォリオと暗号資産を組み合わせ、それぞれの担保掛目・金利水準・課税繰り延べ効果を最適化する手法は、資産規模の大きい経営者・投資家層で実績が積み上がっている。2026年の資金調達戦略:ABLを実務に組み込む際の留意点
ABLの活用を検討する際、担保資産の評価方法と強制清算条件の確認が最優先事項となる。暗号資産担保ローンではLTV50%という設定が標準的だが、担保資産の価格変動によって追加担保の差入れや強制清算が発動する。強制清算は「売却」と同扱いで課税対象となるため、LTVの管理は税務上のリスク管理と直結する。
動産・債権担保融資においては、担保資産の継続的なモニタリングが貸し手から求められる点も実務上の負担となる。在庫数量・売掛債権の回収状況を定期報告する義務が生じるケースが多く、中小企業向けABLの普及が日本で遅れている一因とされている。経済産業省もABLの普及推進を政策課題として位置づけており、2026年時点でも制度整備が継続中である。
富裕層・経営者層が都心高額物件の取得資金を調達する文脈では、証券担保ローン・暗号資産担保ローン・不動産担保融資を組み合わせた複合スキームが現実的な選択肢となる。Koukyuuでは、港区・青山・元麻布エリアでの物件取得を検討するクライアントに対し、資金調達スキームの選定段階から有資格の宅建士が私的な相談窓口として機能している。
Koukyuuは港区・青山・元麻布をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談はこちらから。
