
Koukyuu所属の宅地建物取引士が監修
港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。
2026年3月、株式会社シティホームズが東京都港区麻布十番1丁目で竣工させた2棟の商業ビルは、いずれも竣工前に売却済みまたは契約済みとなった。THE CITY 麻布十番 AZURとTHE V-CITY 麻布十番 PRECIOUSの2物件で、合計延床面積は約1,777㎡。麻布十番駅から徒歩1〜2分の立地と、容積率500%・建ぺい率80%の商業地域という用途指定が投資家の取得意欲を後押しした。
シティホームズ麻布十番館とはどのような物件か
シティホームズ麻布十番館と総称されるこのシリーズは、株式会社シティホームズが東京都港区麻布十番1丁目を中心に2022年以降継続的に開発してきた収益商業ビル群を指す。いくつの物件が存在するかという点では、2024〜2026年に竣工した主要4棟が確認されており、2026年9月竣工予定の2棟を加えると合計6棟のパイプラインとなる。
各物件の規模感はどのぐらいかというと、延床面積は585㎡から1,038㎡の範囲に収まる鉄骨造9〜10階建てが標準的な構成だ。1フロアあたりの賃貸可能面積は約100〜130㎡で、飲食・クリニック・サービス業など用途の幅が広い。同社の代表者および給与水準に関する情報は公開登記および有価証券関連の開示資料を通じた確認が必要であり、本稿では不動産開発の実績と市場情報に絞って整理する。
麻布十番はどんな街か
麻布十番は東京都港区に位置し、東京メトロ南北線と都営大江戸線の2路線が交差する商業・住宅複合エリアだ。外資系企業の従業員や高所得世帯が集積しており、テナント需要の厚みが他エリアと根本的に異なる。商店街を軸に飲食・小売・医療・サービスが混在し、昼夜を問わず安定した人流がある。
2026年時点で麻布十番エリアの成約坪単価は約202万円/㎡、隣接する東麻布エリアでは214万円/㎡。2020年比の上昇率は約76%に達しており、2025年の前年比上昇率は+15.0%と東京23区平均を大幅に上回る。三井不動産リアルティが2026年3月12日に発表したデータによると、都心プレミアムマンションの平均成約坪単価は2025年10〜12月期に1,335万円を記録し、前年同期比17.4%上昇、集計開始の2006年4月以来10期連続で最高値を更新した。麻布十番の地価推移と住環境の詳細は別稿で整理している。
2026年の開発パイプラインと市場環境
2026年9月竣工予定のTHE CITY 麻布十番 Ⅰ AVANTIおよびTHE V-CITY 麻布十番 EAST GRANDEはいずれも港区麻布十番2丁目に位置し、現在販売中の段階にある。東京都港区麻布十番1丁目に集中していた従来の開発戦略が2丁目へと拡張しており、シリーズ全体のエリアカバレッジが広がっている。
竣工前売却が繰り返される背景には明確な市場構造がある。売出件数全体が2025年10〜12月期に初めて1,000件を超えた(1,041件、前年同期比+88.2%)にもかかわらず、平均乖離率(売出価格と成約価格の差)は4.64%にとどまる。一般公開前の不動産情報を取得できるかどうかが、取得機会の有無を左右する局面が増えている。
投資家が確認すべき実務ポイント
収益商業ビルの取得において、テナントの賃貸借契約内容と残存期間の精査が実質利回りを左右する。麻布十番エリアの商業ビルでは定期借家契約の採用事例が多く、契約満了時の賃料改定余地を見込んだ取得判断が求められる。用途地域・容積率・建ぺい率・防火指定の確認に加え、隣地との境界確認・越境の有無・地盤調査報告書の精査も欠かせない。麻布十番周辺は丘陵地形に近接しており、地歴の確認は特に重要度が高い。西麻布エリアの地価と住環境を含む港区西部の動向も、麻布十番の商業不動産を検討する際の参照軸となる。
Koukyuu は港区・元麻布・南青山をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談はこちらから。
