渋谷区松濤2026年|地価・ルール・住民属性・物件市場の全解説
渋谷区松濤2026年|地価・ルール・住民属性・物件市場の全解説
Koukyuu Realty
記事監修 ✓ 認定済み
Koukyuu 宅地建物取引士 記事監修アドバイザー

Koukyuu所属の宅地建物取引士が監修

港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。

2026年3月に公表された国土交通省の地価公示によると、渋谷区松濤の住宅地平均公示地価は227万円/㎡(坪単価750万4,132円)に達した。前年比上昇率は+11.18%。松濤1丁目13番7号の標準地に限れば264万円/㎡(坪単価872万7,272円)、前年比+13.79%という数字が並ぶ。2013年以降の上昇局面で累計63%超の値上がりを積み重ねた結果であり、単年の変動ではない。

松濤はどこにある街か

渋谷区松濤は、東京都渋谷区松濤1丁目・2丁目に所在する。渋谷駅から徒歩約10分、京王井の頭線・神泉駅の徒歩圏に位置し、両駅に挟まれた台地上に街区が広がる。渋谷の高級住宅街として知られるエリアのなかでも、松濤は渋谷駅に最も近い低層住宅地という点で際立つ存在である。

丁目は1丁目と2丁目のみ。人口は約2,600人、世帯数は約1,500世帯。この小さな街に、東京都知事公館、観世能楽堂、渋谷区立松濤美術館、戸栗美術館、鍋島松濤公園が集積している。地名の由来は江戸時代に松平不昧が開いた茶園「松濤園」にさかのぼる。

用途地域は第一種低層住居専用地域。建蔽率60%、容積率150%という厳格な規制が、街並みの均質性を長期にわたって維持してきた。防火区分は準防火地域。コンビニエンスストアの看板も、高層マンションのシルエットも、この街には存在しない。都心の住宅地でこれほど静粛な環境を持つ街は、東京でも数えるほどしかない。

渋谷区の行政情報によれば、松濤美術館は2026年も地域文化の核として機能しており、2026年3月には公募展(応募105点・入選77点・受賞14点)が開催された。建築家・白井晟一が設計した同館の建物自体が、街の文化的密度を体現している。

渋谷区松濤のルールと街の秩序

松濤の街並みが均質に保たれている理由は、法的規制の厳格さにある。第一種低層住居専用地域の指定により、店舗・事務所・工場は原則として建設できない。住居の用途以外の建物は極めて限定され、商業施設が自然発生的に増えることを構造的に防いでいる。

建蔽率60%・容積率150%の制限は、敷地に対して建物が占める割合を抑え、緑地と空地を確保する。準防火地域の指定により、建築材料や構造にも一定の基準が課される。これらの規制が重なることで、松濤は「都心にありながら静かな住宅地」という希少な環境を維持している。

住民協定や地区計画による上乗せ規制は松濤全域には設定されていないが、行政規制だけで十分な抑止力が働いている。新築・建替えの際には、これらの規制内容を事前に確認したうえで設計を進める必要がある。

2026年の地価水準と渋谷区内での位置づけ

渋谷区住宅地の公示地価ランキング(2026年)において、松濤1丁目13番7号の264万円/㎡は区内第3位に相当する。1位は恵比寿西2丁目の390万円/㎡、2位は神宮前4丁目の319万円/㎡。松濤は恵比寿西の約67%水準にある。

同じ渋谷区内の近隣エリアと比較すると、南平台町が233万円/㎡(前年比+9.39%)、円山町が231万円/㎡(+16.67%)、神山町が220万円/㎡(+19.57%)。松濤の227万円/㎡という数値はこれらと横並びの水準にあるが、上昇率では神山町や円山町に後れをとる。成熟した高地価エリアとして、急騰より安定した上昇が続いている。

長期の推移を見ると、バブル最高値(1988年・685万円/㎡)との比較では現在の水準はその約33%にとどまる。1996年の底値125万円/㎡からは実に81%の回復である。2021年にコロナ禍で一時161万5,000円/㎡まで下落した後、2022年以降は連続して上昇し、2025年の203万5,000円/㎡から2026年には227万円/㎡へと加速した。

松濤の地価と不動産市場2026年:渋谷区最高峰の住宅地を読むでは、この地価動向をさらに詳細なデータとともに分析している。

松濤の物件市場:価格帯と取引の実態

松濤における中古マンションの参考価格(専有面積70㎡・築10年想定)は、2026年時点で1億1,379万円程度とされる。面積別では40㎡が6,451万円、100㎡が1億6,314万円、120㎡が1億9,605万円という水準が目安となる。

松濤で実際に流通する物件の多くは戸建住宅と低層マンションであり、大規模タワーマンションは存在しない。用途規制上、高さを抑えた建物しか建てられないため、物件の希少性は構造的に担保されている。賃貸マンションの参考賃料は70㎡で月額37万円、100㎡では月額52万円程度。この賃料水準は、松濤を資産運用の観点から見た場合の収益性の限界でもある。

仮称・松濤1丁目HIE計画は2026年2月の竣工を経て、低層の新築物件として市場に供給された。仮称・松濤ハイツ建替え計画は2026年7月に解体工事着手の予定であり、数年後の新築供給として注目される。

松濤にはどんな人が住んでいるか

松濤に住む人の属性は、経営者・医師・外交官・文化関係者が多い。渋谷の高級住宅街のなかでも、松濤は特に「静かさとプライバシー」を優先する層に選ばれる傾向がある。約2,600人・約1,500世帯という規模は、同じ渋谷区の他の町丁と比べて著しく少ない。

街区が小さく、物件の絶対数が限られているため、市場に出回る物件情報は公開リストに載る前に動くことが多い。特に戸建住宅については、売却の意思表示から成約まで非公開で進む取引が少なくない。松濤の住民コミュニティは閉じた性格を持ち、外部からの参入障壁が実質的に高い。

松濤エリアの居住環境と生活インフラ

松濤の生活圏は、渋谷駅徒歩10分圏と神泉駅徒歩圏の二重構造を持つ。渋谷駅からはJR・東急・東京メトロ・京王井の頭線の4路線が利用でき、都心各所へのアクセスは申し分ない。神泉駅は急行通過駅であるため、日常の移動は渋谷駅を主に利用する人が多い。

鍋島松濤公園は、旧鍋島家の下屋敷跡地に整備された区立公園で、松濤の住環境の質を支える緑地の一つである。観世能楽堂は2016年に六本木から松濤へ移転し、伝統芸能の拠点として定着した。Bunkamura(渋谷区道玄坂2丁目)も徒歩圏内にあり、文化施設へのアクセスは都内でも随一の水準にある。

教育環境については、渋谷区立松濤小学校が地区内にある。私立中学への進学を前提とした世帯にとっては、渋谷駅からの交通利便性が各校へのアクセスを補完する。

東京富裕層向け高級住宅街ランキング2026年版|港区・渋谷区・千代田区の居住地選定基準では、松濤を含む東京主要エリアの居住地としての優劣を多角的に比較している。

10年後の地価予測と資産保全の観点

ダイヤモンド不動産研究所が国土交通省「不動産情報ライブラリ」の約1,000万件の取引データをもとに算出したAIモデルによると、松濤の10年後地価上昇率予測は+3.7%。渋谷区内32町のなかで最低水準グループに位置する。同区内のトップは初台・本町の+23.2%、幡ヶ谷の+22.8%、笹塚の+22.1%である。

この数字は、松濤の資産価値を否定するものではない。すでに地価が高い成熟エリアであるため、上昇余地が相対的に小さいという構造的な理由によるものだ。急騰を期待する投資目的の取得より、資産保全・相続対策・プライバシーの確保を主目的とする保有に向いたエリアといえる。

相続税評価の観点では、路線価は公示地価の約80%が目安とされる(国税庁方針)。2026年分の路線価は2026年7月公表予定のため、現時点では公示地価227万円/㎡の約80%、すなわち181万6,000円/㎡前後が推計の基準となる。固定資産税評価額は公示地価の約70%が目安とされ、松濤の場合は159万円/㎡前後が参考水準となる。個々の土地の形状・接道状況・評価倍率によって実額は異なるため、実際の路線価公表後に税理士と連携した精査が不可欠である。

渋谷区松濤で物件を取得する際の実務的留意点

松濤の物件取得において最初に直面するのは、情報の非流通性である。REINS登録前に売主と買主の間で話がまとまるケースが多く、一般公開情報だけを追っていては市場の全体像を把握できない。

登記上の権利関係についても、旧家の土地が複数の相続人名義になっているケースや、借地権が絡む物件が残存していることがある。デューデリジェンスの段階で登記簿謄本・公図・地積測量図を精査し、境界確認の状況を確認することが必須である。

重要事項説明の内容としては、第一種低層住居専用地域の用途制限、建蔽率60%・容積率150%の建築規制、準防火地域の指定、道路幅員と接道義務の充足状況が特に重要な確認項目となる。古い物件では現況の建物が既存不適格となっている場合もあり、建替え時の規制内容を事前に把握しておく必要がある。

手付金については、松濤の物件価格帯を考慮すると数千万円規模になることが通常である。売買契約締結から引渡しまでのスケジュール管理、ローン特約の設定有無、所有権移転登記のタイミングについて、宅建士が一貫して関与する体制が取引の安全性を高める。Koukyuu は、こうした高額取引における初回相談から引渡しまでの全段階を、有資格の宅建士本人が担当する体制を採用している。


Koukyuu は西麻布・南青山・松濤をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談はこちらから。

お問い合わせを開始する
すべてのお問い合わせは、完全な裁量で処理されます。 当社のチームメンバーが24時間以内に対応いたします。

    このフォームを送信することにより、お客様の情報が当社のプライバシー慣行に従って完全に機密に取り扱われることを承認するものとします。

    Compare Listings