
Koukyuu所属の宅地建物取引士が監修
港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。
2026年3月17日に国土交通省が公表した地価公示によれば、港区の住宅地は前年比+16.6%の上昇を記録した。坪単価1,000万円超の住宅地地点は全国で20地点に達し、前年の13地点から7地点増えた。この数字を読み解くには、平米・畳・坪という三つの面積単位を正確に理解していることが前提になる。物件の広さ表示が単位によって異なる以上、換算の誤差は購入判断に直結する。
平米・畳・坪、三単位の公的定義
不動産広告における面積表示の根拠は、公正取引委員会が認定する不動産の表示に関する公正競争規約にある。この規約が定める基準は明快だ。
- 1坪 = 3.305785㎡(公的確定値)
- 1畳 = 1.62㎡(不動産広告における統一基準)
- 1坪 = 約2畳
畳のサイズは歴史的に地域差がある。江戸間(880mm×1,760mm、約1.548㎡)、京間(955mm×1,910mm、約1.824㎡)、中京間(910mm×1,820mm、約1.656㎡)と規格が異なるが、不動産広告では1畳=1.62㎡に統一されている。この数値は中京間を基準とした業界標準であり、物件資料に記載される「○畳」はこの換算式で計算されていると理解してよい。
平米は国際単位系(SI単位)の面積単位であり、登記簿謄本・重要事項説明書・売買契約書のいずれにも㎡表記が用いられる。坪は日本固有の尺貫法由来の単位で、不動産業界では坪単価の比較に今も広く使われる。三単位の関係を整理すると以下のとおりになる。
| 単位 | ㎡換算 | 坪換算 | 畳換算(広告基準) |
|——|——–|——–|——————|
| 1㎡ | 1.00㎡ | 約0.3025坪 | 約0.617畳 |
| 1坪 | 3.3058㎡ | 1.00坪 | 約2.04畳 |
| 1畳 | 1.62㎡ | 約0.490坪 | 1.00畳 |
詳細な換算の考え方については平方メートルとは何か。単位の定義・換算・東京高級不動産の単価でも整理している。
壁芯面積と内法面積、登記との乖離
平米の数字を見るとき、何を基準に測った面積かを確認する必要がある。新築マンションの販売広告に記載される専有面積は壁芯面積、すなわち壁の中心線を基準に計測した数値だ。一方、登記簿に記載されるのは内法面積、壁の内側を基準とした数値になる。
壁の厚みが15〜20cmある場合、壁芯面積と内法面積の差は専有面積100㎡の物件で2〜4㎡程度生じる。坪換算で0.6〜1.2坪分の差であり、坪単価500万円の物件であれば300〜600万円の乖離に相当する。重要事項説明書を確認する際、どちらの基準で記載されているかを明示的に確認することが実務上の基本だ。
ロフトや小屋根裏収納については、天井高1.4m未満であれば専有面積に算入されない。販売資料に「ロフト約8㎡」と別記されている場合、その面積は法定の専有面積の外にある。LDKの最低基準は不動産広告規約上8畳(約12.96㎡)以上、DKは4.5畳(約7.29㎡)以上と定められており、この基準を下回る空間にLDK・DKの表示を使うことは認められていない。
2026年地価公示が示す港区・千代田区の実勢単価
2026年3月17日公表の地価公示データは、東京都心の住宅地価格が一段階上のステージに入ったことを示している。都心5区の住宅地変動率は前年比+13.0%、商業地は+13.6%。東京都全域の住宅地では+6.5%だが、港区単独では+16.6%と突出した。
住宅地の高額地点を1㎡単価で見ると、首位は港区赤坂1丁目の711万円/㎡だ。坪単価に換算すると約2,350万円/坪になる(東洋経済オンライン、2026年3月30日)。同地点の前年比上昇率は+20.5%だった。
| 順位 | 地点 | 価格(万円/㎡) | 前年比 |
|——|——|————–|——–|
| 1 | 港区赤坂1-14-11 | 711 | +20.5% |
| 2 | 港区白金台3-16-10 | 548 | +16.6% |
| 3 | 千代田区六番町6-1外 | 530 | +9.7% |
| 4 | 港区南麻布4-9-34 | 499 | +15.5% |
| 5 | 港区南麻布1-5-11 | 476 | +17.0% |
出所:国土交通省・東京都財務局 2026年3月17日公示地価
千代田区六番町は番町エリアの代表地点として530万円/㎡、坪換算で約1,752万円/坪を記録した。前年比+9.7%は他の港区地点に比べて落ち着いた数字だが、絶対値としての水準は依然として都内最上位グループにある。Brillia一番町 ブリリア一番町 4億7990万円(3LDK)のような番町エリアの新築物件がこの地価水準を背景に価格形成されていることは、数字を見れば明らかだ。
新築マンション専有面積と坪単価の動向
三菱地所リアルエステートサービスが2026年4月に公表した「エリアマーケットレポート東京」によれば、首都圏新築マンションの平均坪単価は2025年速報値で前年比+16.9%の大幅上昇を記録した。平均専有面積は61.81㎡(前年比+2.9%)だった。
61.81㎡を畳換算すると約38.2畳、坪換算すると約18.7坪になる。3LDKとして設計された場合、各居室の広さは6〜8畳程度が標準的な構成だ。都心の高級レジデンスでは専有面積100㎡超(約60.3畳・約30.2坪)の物件が主流になりつつあり、広尾・元麻布・南青山エリアでは150㎡以上(約92.6畳・約45.4坪)の大型住戸の成約事例も増えている。
広尾ガーデンヒルズイーストヒルB棟 3億6800万円(2LDK)のような広尾の代表的物件では、2LDKでも専有面積が100㎡前後に達するケースがある。坪単価に換算すると400〜500万円台が目安になる水準だ。面積表示を実務で読む、四つの確認点
物件資料を精査する際、面積に関して確認すべき点は四つある。
1. 壁芯か内法か販売広告は壁芯面積、登記簿は内法面積。重要事項説明書に両方の数値が記載されているかを確認する。差が3%を超える場合、その理由を確認する価値がある。
2. バルコニー面積の扱いバルコニーは専有面積に含まれない。100㎡と表示された物件のうち15㎡がバルコニーであれば、室内の実効面積は85㎡だ。高層タワーマンションでは奥行き2mを超えるバルコニーを持つ物件もあり、この差は体感的な広さに直結する。
3. 天井高と容積の関係同じ100㎡でも天井高2.4mと3.0mでは空間の体積が25%異なる。坪単価の比較は面積だけを見ていては不十分であり、天井高・梁の位置・柱の出方を合わせて評価する必要がある。
4. 専有面積と管理費・修繕積立金の比例関係マンションの管理費・修繕積立金は専有面積に比例して算定されることが多い。100㎡の住戸と60㎡の住戸では月額負担が大きく異なる。5年後・10年後の修繕積立金の増額計画も含めて、取得コストだけでなく保有コストを面積ベースで試算しておくことが資産管理上の基本だ。
坪単価1,000万円超時代の面積戦略
坪単価1,000万円超の住宅地地点が20地点に達した2026年の東京では、1坪(3.3058㎡)の土地価格が1,000万円を超える。30坪(約99.2㎡)の敷地であれば土地だけで3億円になる計算だ。この水準では、面積の読み方が資産価値の判断に直接影響する。
畳数表示は間取りのイメージをつかむには便利だが、価格交渉や資産評価の場面では㎡表示に戻して計算することが精度を高める。1畳=1.62㎡という広告基準値は切り上げ気味の数値であり、実際の畳サイズが江戸間(1.548㎡)であれば6畳の部屋の実面積は9.29㎡と、広告基準の9.72㎡より約0.4㎡小さくなる。都心の高額物件では0.4㎡の差が坪単価500万円換算で約60万円に相当する。
相続税評価における路線価は公示地価の約80%水準で設定されることが多い。港区赤坂1丁目の公示地価711万円/㎡を基準とすれば、路線価は568万円/㎡前後が目安になる。相続対策として物件の面積構成を検討する場合、この換算を踏まえた上で評価額を試算することが出発点になる。
Koukyuu では、南青山・西麻布・元麻布をはじめとする都心の格式ある住宅地において、こうした面積・単価の精査を含む物件調査を私的な相談として受け付けている。
Koukyuu は港区・渋谷区・千代田区をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談)はこちらから。
