2026年4月時点のタワーマンション節税規制と相続税評価の実態
2026年4月時点のタワーマンション節税規制と相続税評価の実態
Koukyuu Realty
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港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。

2026年度税制改正による評価方式の転換

2026年1月に閣議決定された令和8年度税制改正大綱は、貸付用不動産の相続税評価に関する根本的な変更を盛り込んだ。従来の路線価・固定資産税評価額による評価に代わり、相続開始前5年以内に取得した貸付用不動産は取得価額の80%で評価する方式が導入される。この改正は2026年4月1日以降に取得した物件から適用され、タワーマンションを含む収益不動産を活用した相続税圧縮スキームに実質的な終止符を打つ。

旭化成ホームズの税務レポートによれば、この改正の背景には、市場価格と相続税評価額の乖離を利用した節税行為が常態化していた事実がある。港区や千代田区の高層マンションでは、実勢価格5億円の物件が相続税評価額1億5,000万円程度と算定されるケースが珍しくなかった。

5年ルールの具体的な適用範囲

新制度は貸付用不動産全般を対象とする。タワーマンションの居住用住戸は対象外だが、賃貸に供している住戸、一棟マンション、オフィスビル、商業ビルはすべて該当する。相続開始時点から遡って5年以内に取得した物件であれば、取得価額の80%が相続税評価額となる。5年を超えて保有している物件は従来通り路線価方式で評価される。

麻布台ヒルズレジデンスの賃貸住戸を例にとると、2026年6月に4億8,000万円で取得し、2028年に相続が発生した場合、相続税評価額は3億8,400万円となる。従来の評価方式であれば1億7,000万円前後だったことを考えれば、評価額は2倍以上に跳ね上がる計算だ。

取得価額には購入代金のほか、仲介手数料、登録免許税、不動産取得税が含まれる。リノベーション費用は取得後の支出として含まれない。

2024年評価見直しとの累積効果

2024年1月には、分譲マンションの相続税評価に関する補正が先行して導入されている。築年数が浅く、総階数が高く、所在階が上層であるほど評価額が引き上げられる仕組みだ。この補正により、TOKYO TIMES TOWER 4億5800万円(3LDK)のような高層階住戸は、従来の路線価評価に対して最大1.6倍の補正が適用される。

2026年の5年ルールは、この2024年補正とは独立した制度だが、賃貸に供した場合には両者が累積して適用される可能性がある。国税庁は2026年3月の通達改正で、貸付用不動産に対する評価順序を明示した。まず5年ルールの該当性を判定し、該当する場合は取得価額基準を適用する。該当しない場合に限り、路線価評価を行い、その後2024年補正を適用する流れだ。

実務上の影響と対応策

改正後の環境では、短期保有を前提とした相続税対策は成立しない。一方で、5年を超える長期保有を前提とし、実際に賃貸収益を得る目的であれば、従来の評価方式が維持される。相続対策としての不動産活用は、投資期間の設計が決定的に重要になる。

千代田区番町や渋谷区松濤といった伝統的住宅地では、相続発生の数年前に自宅を売却し、タワーマンション賃貸住戸を複数取得する手法が一部の資産家層で採用されてきた。この手法は2026年4月以降、税務上の優位性を失う。

代替策として考えられるのは、居住用不動産としての取得だ。自己居住用であれば5年ルールの対象外であり、小規模宅地等の特例(330平米まで80%減額)も適用可能だ。ただし、被相続人または生計を一にする親族が実際に居住している必要があり、形式的な住民票移転では否認リスクが高い。

シティタワー九段下 4億2000万円(3LDK)のような都心一等地の住戸を自宅として取得し、長期保有する戦略は依然として有効だ。

税務調査の焦点と否認事例

国税庁は2025年7月の事務運営指針改正で、相続開始前3年以内の大型不動産取引を重点調査対象に指定した。取得価額3億円以上、築10年以内、総階数20階以上の物件が該当する。調査では、取得資金の出所、賃貸契約の実態、居住実態の有無が精査される。

2025年の東京国税局管内では、相続開始6か月前に港区のタワーマンションを現金一括で取得したケースが否認された。被相続人は取得後すぐに入院し、賃貸募集の形跡もなく、相続税評価額を圧縮する目的のみで取得したと認定された。評価額は取得価額の100%に修正され、重加算税が賦課された。

5年ルール導入後も、租税回避目的が明白な取引には財産評価基本通達6項(総則6項)が適用される可能性がある。形式的に5年を超えて保有していても、実質的に相続税回避を主目的とする一連の取引と認定されれば、時価評価に引き直される。

2026年4月以降の取得判断

新制度下でタワーマンションを取得する場合、相続税対策としての効果は限定的だ。それでも都心の優良物件には、資産保全、インフレヘッジ、賃貸収益といった本来的な投資価値がある。節税ありきの判断は避け、立地・収益性・流動性を基準に選定すべきだ。

2026年4月時点の港区における新築タワーマンションの平均賃料利回りは、グロスで2.8%前後だ。プラウドタワー千代田富士見 4億4800万円(3LDK)のような皇居至近の物件では、賃料月額140万円前後が想定され、年間利回りは3.7%程度となる。管理費・修繕積立金・固定資産税を差し引いた実質利回りは2.2%だ。

相続税の実効税率が30%を超える資産家層にとって、評価圧縮が見込めない以上、他の資産クラスとのリターン比較が重要になる。都心不動産の希少性とインフレ耐性を評価するか、より高い利回りを求めて他の選択肢を検討するか、判断は個別の資産構成と相続設計に依存する。

Koukyuuは麻布・白金・千代田をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談)より承ります。

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