平米単価135万円が示す、東京23区の価格形成の新しい常態
平米単価135万円が示す、東京23区の価格形成の新しい常態
Koukyuu Realty
記事監修 ✓ 認定済み
Koukyuu 宅地建物取引士 記事監修アドバイザー

Koukyuu所属の宅地建物取引士が監修

港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。

2026年2月、東日本不動産流通機構が発表した中古マンション成約データは、業界関係者の認識を更新させた。東京都区部の成約㎡単価は135.61万円となり、前年同月比15.1%の上昇を記録した。これにより、都心部の中古マンション価格は70ヵ月連続で前年同月を上回る水準となった。

この数字の重みを理解するためには、首都圏全体の動向と対比させる必要がある。同月の首都圏全体の㎡単価は85万6,100円。都心部と首都圏全体との差は1.58倍に広がり、地理的な価格格差が固定化しつつある。

新築と中古、平米単価の乖離構造

不動産経済研究所の2025年1〜12月集計によると、首都圏の新築分譲マンションの戸当たり価格中央値は6,998万円、前年比9.4%上昇した。平均専有面積は61.81㎡、前年比2.9%の増加である。これを単純計算すると、新築の㎡単価は約113万円相当となる。

ここに注目すべき構造が生じている。新築の㎡単価113万円に対し、中古の成約㎡単価が135万円を超えるという逆転現象だ。通常、新築プレミアムが存在する市場では、新築が中古を上回るのが常態である。

この逆転の理由は複合的だ。まず、新築供給の平均専有面積が縮小傾向にあり、都心部ではファミリー向け大型物件の供給が限定的となっている。対照的に、中古市場で取引される物件は築年数を経ても専有面積が確保されており、都心の優良立地に限定されると価格が跳ね上がる。

また、2025年は都心部で高額物件・大型タワーマンションの供給が再び活発化した年だった。平均価格は前年比17.4%上昇の9,182万円と二ケタ成長を記録し、中央値も5年連続で上昇した。この供給サイドの変化が、中古市場の価格形成に間接的なプレッシャーをかけている。

プレミアムマンションの坪単価1,335万円という指標

三井不動産リアルティが2026年3月に発表した都心8エリアのプレミアムマンション動向は、さらに具体的な価格水準を示している。2025年10〜12月期の平均成約坪単価は1,335万円、前年同期比17.4%上昇となった。平均成約価格は3億4,267万円、同12.3%上昇である。

この集計は2006年4月の開始以来、10期連続で最高値を更新している。売出件数は1,041件で初めて1,000件を突破し、前年同期比88.2%の大幅増となった。

地域別では銀座エリアが9期連続の最高値更新、同21.7%上昇。番町・麹町・飯田橋エリアも7期連続の最高値更新、同17.3%上昇となった。これらの数字は、都心部の特定エリアにおける資産としてのマンションの希少性が、居住価値を上回る評価を受けていることを示している。

平米単価と坪単侍の換算は、実務で頻繁に必要となる。1坪は約3.30578㎡である。1,335万円の坪単価は、㎡単侍に換算すると約403万円となる。この計算は、海外の投資家や金融機関との折衝において標準的に用いられる。

Koukyuu が取り扱う物件の多くは、このプレミアムマンションのカテゴリに位置する。3億円以上の取引においては、坪単価400万円超が新たな基準線となりつつある。

投資用物件の平米単侍と利回りの関係

収益物件市場でも、価格水準の変化が顕著だ。健美家が2026年4月に発表した2026年1〜3月期のデータによると、東京23区の一棟マンションの平均価格は3億621万円と過去最高を更新した。利回りは4.95%と過去最低を記録している。

特筆すべきは、問い合わせ価格が登録価格を上回る「逆転現象」の発生だ。価格比率は109.0%に達し、売り手市場の極端な状況を示している。

区分マンションの投資用市場では、東京23区の平均価格は3,687万円、前期比1.76%下落した。築10年未満の物件の利回りは3.74%と、利回り狩りの進行が認められる。

この文脈で平米単価を検討すると、収益物件の適正価格を判断する際の指標としての役割が明確になる。利回り4%を前提とした場合、年間賃料収入400万円の物件の想定価格は1億円となる。専有面積50㎡と仮定すると、㎡単価は200万円が損益分岐点となる計算だ。実際の成約価格がこれを上回る場合、キャピタルゲインを前提とした投資判断が必要になる。

公示地価と実勢価格の乖離、相続税評価への影響

2026年の公示地価動向は、住宅価格の上昇を裏付けるものとなった。三菱地所リアルが2026年4月に発表したレポートによると、都心5区の商業地は前年比13.6%上昇、住宅地も同13.0%上昇した。全用途で前年を上回る結果となった。

公示地価と実勢価格の乖離は、相続税対策において重要な意味を持つ。相続税評価額は、原則として路線価や公示地価を基準に算出される。実勢価格が評価額を大きく上回る状況では、不動産を相続資産として保有することの節税効果が相対的に高まる。

例えば、実勢価格が評価額の1.5倍である物件を相続した場合、相続税は実勢価格ではなく評価額に基づいて課税される。この乖離が大きいほど、不動産の相続税効率は向上する。2026年の都心部不動産市場では、この効果が最大限に発揮されている。

平米単価の実務的活用法

実務において、平米単価は以下の場面で活用される。

第一に、物件の相対的な割高・割安を判断する際の指標である。同一エリア内で、築年数・専有面積・向きを考慮した上で、㎡単価が平均から大きく外れる物件を特定できる。

第二に、リフォーム費用の見積もり基準となる。2026年時点のマンションリフォーム相場は、㎡単価15万〜20万円が目安とされる。坪単侍に換算すると55万〜75万円前後となる。この数字を専有面積に乗じることで、おおむねの工事費用を推定できる。

第三に、賃貸転用時の想定賃料を算出する際の材料となる。エリア別の㎡あたり賃料相場を専有面積に乗じ、年間賃料を算出。これに想定利回りを除すことで、投資家にとっての適正価格帯を逆算できる。

これらの計算において、㎡単価と坪単侍の両方を使いこなす能力が求められる。建築業界では坪単侍が標準的だが、不動産投資の文脈では㎡単侍が国際的な標準となっている。両者の換算は、3.30578という係数を用いて正確に行う必要がある。概算では3.3を用いることが多いが、高額物件では0.00578の差が数百万円の誤差を生む。

価格高騰の持続性と選定の基準

2026年の住宅価格高騰がいつまで続くかについて、明確な予測は困難である。ただし、現在の価格水準が「新しい常態」として定着しつつあることは、複数のデータが示唆している。

新築マンションの供給コスト上昇は、土地取得価格、建築資材費、人件費の三つの圧力によって構造的なものとなっている。中古マンションの価格上昇は、都心部の優良物件の枯渇という供給制約によって支えられている。投資用物件の利回り低下は、低金利環境と代替投資先の欠如というマクロ要因による。

この状況下で、購入検討者に求められるのは、単価の高低ではなく、物件の本質的な価値を見極める能力だ。立地の代替可能性、建物の物理的寿命、管理組合の健全性、近隣開発計画の有無。これらの定性評価が、㎡単価という定量指標と組み合わされることで、初めて投資判断が成立する。

Koukyuu は麻布・広尾・白金をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談)はこちらから。

お問い合わせを開始する
すべてのお問い合わせは、完全な裁量で処理されます。 当社のチームメンバーが24時間以内に対応いたします。

    このフォームを送信することにより、お客様の情報が当社のプライバシー慣行に従って完全に機密に取り扱われることを承認するものとします。

    Compare Listings