2026年、相続税評価額と実勢価格の乖離が港区・渋谷区で縮小する条件
2026年、相続税評価額と実勢価格の乖離が港区・渋谷区で縮小する条件
Koukyuu Realty
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港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。

2026年5月時点で、港区南青山の築3年タワーマンション35階、専有面積120㎡の相続税評価額は、改正前の約1.8億円から3.2億円へと78%上昇した。同物件の市場実勢価格は5.4億円であるから、評価乖離率は1.69倍に収まり、時価の60%という下限ラインに近づいている。この数字が示すのは、2024年1月の財産評価基本通達改正以降、いわゆる「タワマン節税」の構造が根本的に変化した事実である。

区分所有補正率導入後の評価メカニズム

国税庁は2024年1月1日、区分所有マンションの相続税評価方法を変更した。従来の路線価・固定資産税評価額に基づく一律評価を廃止し、築年数指数、総階数指数、所在階指数、敷地持分狭小度指数の4要素を乗じて算出する「区分所有補正率」を導入した。

評価乖離率1.67倍以上の物件には、時価の60%を原則下限とする評価水準が適用される。麻布台ヒルズのタワーレジデンスや、虎ノ門ヒルズステーションタワーなど、2024年以降に竣工した超高層物件では、この下限に張り付く評価が標準化している。

築10年を超える中古物件、あるいは総階数20階以下の低層マンションでは、評価乖離率は1.3〜1.5倍程度に抑えられる。これが2026年現在、相続税対策として再評価されている背景にある。

2026年税制改正「5年ルール」の実務影響

2025年12月19日に公表された令和8年度税制改正大綱は、さらなる規制強化を示した。相続開始前5年以内に取得・新築した賃貸用不動産について、従来の路線価等による評価を廃止し、課税時期の通常取引価額(実勢価格)を原則基準とする。

この「5年ルール」は、2026年1月1日以降に相続が開始するケースに適用される。取得価額を基礎とし地価変動等を考慮した金額のおおむね80%相当額を評価水準とする特例も設けられるが、従来の路線価方式と比較すれば、評価額は大幅に上昇する。

不動産小口化商品については、保有期間に関わらず一律で課税時期の通常取引価額が適用される。相続直前の駆け込み購入による節税手法は、事実上機能しなくなった。

現在有効な相続税対策ランキング

2026年5月時点で実効性の高い対策を、節税効果と適用条件を踏まえて整理する。

第1位:小規模宅地等の特例

最大80%の評価減が可能な継続制度である。被相続人の居住実態、330㎡以下の敷地面積、相続人による居住継続が要件となる。麻布・広尾・白金の低層戸建てや、専有面積の小さい高級マンションで適用可能性が高い。評価減の適用後、相続税額は最大で4分の1に圧縮される計算になる。

第2位:5年超経過賃貸物件の保有

2026年規制の対象外となる、相続開始5年前までに取得した賃貸用不動産が優位に立つ。土地について貸宅地評価(約20%減)、建物について賃貸建物評価(約30%減)が適用され、さらに借入金による債務控除も可能となる。

築10年以上の一棟マンションや、東京都心の優良賃貸物件は、この観点から再評価されている。ただし、賃貸事業の継続と、相続時点での実質賃貸中であることが厳格に求められる。

第3位:暦年贈与と相続時精算課税の組み合わせ

年間1,100万円の非課税枠を活用した暦年贈与に、2,500万円の一時非課税枠を持つ相続時精算課税を組み合わせる手法である。贈与から相続までの期間と、税率選択のタイミングが鍵となる。

この手法は不動産に限定されないため、流動性の高い資産の先行承継に向く。ただし、相続時に贈与資産が加算されて累進税率が適用されるため、総額シミュレーションが必須である。

第4位:家族信託

直接的な節税効果は限定的だが、認知症対策と多世代承継の観点から重要性が増している。受託者の選定、信託報酬の設計、受益権の分割方法が、実効性を左右する。

第5位:法人化による株式評価

賃貸事業を法人化し、相続資産を事業用不動産とする評価圧縮手法である。事業実態の充実と運営コストの増大が課題となり、5億円以上の資産規模で初めて検討価値が生じる。

失効した手法とその代替策

2024年改正前の「タワマン節税」、すなわち高層階・築浅マンションの相続直前購入による極端な評価圧縮は、制度上不可能になった。時価の30〜40%での評価は、現在では60%が原則下限となる。

代替として浮上しているのが、評価乖離率の小さい中古・低層階物件の組み合わせである。築15年以上、総階数15階以下、所在階5階以下の物件では、評価乖離率1.3倍程度の評価が可能となる。白金台や代官山の低層高級マンションが、このカテゴリーに該当するケースが多い。

実務上の三つの注意点

第一に、相続登記の義務化である。2024年4月1日より、相続登記の申請が義務化され、申請期限を経過すると過料の対象となる。登記の遅延は、評価額の確定時期をずらし、税務リスクを増大させる。

第二に、納税資金の確保である。評価額の上昇により、想定外の現金需要が発生するリスクが増大している。不動産物納の条件と手続きについては、別稿で詳述している

第三に、専門家連携の必須化である。税理士・司法書士・不動産鑑定士の連携が、標準的な実務プロセスになっている。評価の妥当性証明が、税務申告で求められる場面が増えた。

港区・渋谷区・千代田区の物件選択基準

2026年現在、相続税対策として機能しうる物件の条件を整理する。

築年数は10年以上、総階数は20階以下、所在階は中層以下、専有面積は330㎡以下、賃貸運用実績が5年以上、借入金残高が適正水準。これらの条件を満たす物件は、麻布・広尾・白金・南青山・代官山・番町・松濤などに分散している。

新築・築浅のタワーマンションは、居住用としての価値は高いが、相続税対策としての優位性は失われた。資産の二重構造、すなわち居住用資産と相続対策用資産の分離が、現実的なアプローチとなっている。

Koukyuu は、こうした複雑な税制環境の中で、港区・渋谷区・千代田区の物件選択に関する私的な相談窓口として機能している。個別の資産構成と相続計画に基づいた、具体的な物件候補の選定が可能である。

Koukyuu は麻布・広尾・白金をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談)はこちらより。

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