2社以上の仲介が入っても、買主の支払総額は変わらない
2社以上の仲介が入っても、買主の支払総額は変わらない
Koukyuu Realty
記事監修 ✓ 認定済み
Koukyuu 宅地建物取引士 記事監修アドバイザー

Koukyuu所属の宅地建物取引士が監修

港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。

2024年度、三井不動産リアルティグループの仲介手数料収入は1,000億円を超えた。都心部の物件価格上昇が背景にあるが、この数字の裏には複数の不動産会社が一枚の売買契約に関与するケースの増加もある。売主側と買主側、それぞれが別の業者を使う「片手仲介」が標準化しつつある。

この構造変化の中で、富裕層買主にとって重要なのは、2社以上の仲介が入った場合に自分の支払う手数料が増えるかどうか、である。結論から述べると、増えない。宅地建物取引業法第46条が定める上限額は、仲介業者の数とは無関係に、買主・売主それぞれに固定された計算式で決まる。

片手仲介と両手仲介の違い

不動産売買の仲介には、大きく2つの形態がある。

両手仲介は、1社の不動産会社が売主と買主の双方から依頼を受け、両方から手数料を得る形態だ。業界用語で「両手」「両手取引」と呼ばれる。1社が売買全体をコントロールするため、情報の一本化は進むが、価格交渉において売主と買主の双方の代理人を務める構造的な緊張が生じる。 片手仲介は、売主側と買主側がそれぞれ別の業者を使う形態だ。売主側の業者を「元付け」、買主側の業者を「客付け」と呼ぶ。それぞれが片方のクライアントに専従し、手数料も片方からのみ受け取る。2026年現在、都心部の高額物件を中心に片手仲介が標準化しつつある。

東京都宅地建物取引業協会の2025年5月調査によれば、2024年度の主要21社中18社が手数料収入を増やした。三井不動産リアルティの富裕層向けコンサルティング営業「リアルプラン」5店舗では、取扱単価が2億数千万円に達するケースもある。この層では、売主・買主それぞれが専任のバイヤーズエージェンシーを使う片手仲介が一般的だ。

仲介手数料の法定上限と計算式

宅地建物取引業法第46条と昭和45年建設省告示第1552号に基づき、仲介手数料の上限は以下の通り定められている。

売却価格帯上限計算式(税抜)
200万円以下売却価格 × 5%
200万円超〜400万円以下売却価格 × 4% + 2万円
400万円超売却価格 × 3% + 6万円

400万円を超える物件については、速算式で表すと「売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税10%」となる。

具体例で確認する。3億円の物件を買う場合、買主が支払う仲介手数料の上限は以下の通りだ。

  • 税抜:3億円 × 3% + 6万円 = 906万円
  • 税込:906万円 × 1.1 = 996.6万円

この上限額は、仲介業者が1社であろうと2社以上であろうと、買主にとっては変わらない。複数の業者が介在する場合、買主が支払う手数料の合計がこの上限額を超えることは法律で禁止されている。

2社以上の場合の手数料配分

片手仲介で2社が関与する場合、買主側の手数料上限996.6万円を、元付けと客付けが分け合う。一般的な配分パターンは以下の通りだ。

パターンA:50:50の配分

元付けと客付けがそれぞれ上限の半分、つまり税込498.3万円ずつを受け取る。これが最も一般的な配分だ。

パターンB:30:70や20:80の配分

客付けが買主探索の負担を重く見積もり、より大きな割合を主張するケース。元付け30%、客付け70%などの配分が生じる。

パターンC:固定額の配分

上限額とは無関係に、元付けに固定額(例:50万円)を支払い、残りを客付けが受ける形態。これはあまり一般的ではない。

重要なのは、いずれのパターンでも、買主が支払う合計額は996.6万円を超えないという点だ。2社に分かれることで「手数料が二重にかかる」ことはない。

2024年7月改正:800万円以下物件の上限緩和

2024年7月1日、国土交通省の改正告示が施行された。800万円以下の空き家等を対象に、仲介手数料の上限が引き上げられた。

項目改正前改正後
800万円以下の空き家等上限30万円(税抜)上限33万円(税込)

この改正の目的は、低価格物件・空き家の流通促進だ。仲介業者にとって低価格物件は手数料収入が限られるため、積極的に取り扱うインセンティブが乏しかった。上限緩和により、地方の空き家問題の解消を目指す制度設計となっている。

Koukyuuが扱う3億円以上の都心物件には直接関係しないが、相続税評価額の計算や、資産ポートフォリオの一部として地方不動産を検討する際の参考となる。

実務での注意点:契約前の確認事項

片手仲介を選択する際、買主は以下を契約前に確認すべきだ。

第一に、手数料の上限額を自分で計算すること。 物件価格が3億円なら上限は税込996.6万円。この数字を頭に入れて交渉に臨む。 第二に、配分パターンの開示を求めること。 客付け業者が元付けとどのような配分合意を結んでいるか、買主に開示する義務はないが、信頼できる業者であれば説明する。 第三に、報酬額が上限を超えていないか確認すること。 契約書に記載の報酬額が、法定上限を超えていないか計算式と照らし合わせる。 ホームズ 仲介手数料の法定上限と2026年実務:高額物件取引の計算基準と注意点 では、より具体的な計算例と契約書のチェックポイントを解説している。

高額物件におけるバイヤーズエージェンシーの役割

3億円を超える都心の物件取引では、買主側に専任のバイヤーズエージェンシーを置くことが標準化しつつある。理由は二つある。

第一に、価格交渉の専門化だ。売主側の業者は売主の代理人として機能する。買主が同じ業者に価格交渉を委ねると、構造的に不利な立場に置かれる。専任の買主代理人を置くことで、対等な交渉が可能になる。

第二に、デューデリジェンスの徹底だ。高額物件では、建物の法的瑕疵、管理規約の制限、周辺開発計画の影響など、検証すべき項目が多岐にわたる。売主側の業者と同一の組織に依頼すると、情報の偏向リスクが生じる。

賃料1ヶ月分が法定上限なのに、なぜ半額以下の仲介手数料が増えているのか でも触れたが、仲介手数料の構造は賃貸と売買で根本的に異なる。売買では、買主が専任代理人を置くことのメリットが、手数料の増加なしに実現できる。

Koukyuuは、3億円以上の物件を対象としたプライベート・バイヤーズエージェンシーとして、片手仲介の客付け側に位置づけられる。買主の専任代理人として、価格交渉、デューデリジェンス、契約条件の調整を一貫して担う。

他の仲介会社との決定的な差

東京の不動産仲介市場では、多くの会社が「両手仲介」を前提にビジネスモデルを構築している。売主と買主の双方から手数料を得ることで、収益を最大化する。この構造では、買主の利益が後回しになるリスクが内在的だ。

Koukyuuはこの構造を採用しない。取扱下限を3億円に設定し、買主専任のバイヤーズエージェンシーとしてのみ機能する。売主側からの依頼は受けない。

さらに、取引の全段階に有資格の宅建士が同席する。初回相談、内見、条件交渉、デューデリジェンス、契約、引渡しに至るまで、宅建士本人が担当する。多くの東京の仲介会社が、署名の瞬間まで無資格の営業担当を配置する仕組みを採用する中で、この体制は異例だ。

Koukyuuは港区・渋谷区・千代田区をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談)はこちらから。

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