
Koukyuu所属の宅地建物取引士が監修
港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。
2026年3月に発表された公示地価で、港区六本木五丁目367番1(六本木5-13-1)の住宅地が329万円/m²を記録した。前年比17.08%の上昇率は、六本木町内で7位の伸びに相当する。ここ5年間、下落なしの連続上昇が続いている。
この地点は第二種中高層住居専用地域に指定された閑静な住宅地である。建蔽率60%、容積率300%の規制下、前面道路は区道・北向き・幅員8.5m、側道・西向きという条件。麻布十番駅から400m、六本木ヒルズと麻布台ヒルズの間に位置する。
公示地価と基準地価の数値検証
六本木五丁目367番1の地価推移を整理する。
| 年度 | 価格 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2024年地価調査 | 265万円/m² | 109.05% |
| 2025年基準地価 | 300万円/m² | 113.21% |
| 2026年公示地価 | 329万円/m² | 117.08% |
2年間で実に64万円/m²の上昇。六本木町全体の平均地価556万円/m²(商業地含む)と比較すれば、五丁目は純粋な住宅地としての実態を反映している。六本木町内最高額は六本木4-9-5の商業地で1,150万円/m²。住宅地と商業地の価格格差は明確だ。
福嶋総研の2026年2月分析は、この上昇の構造を「築浅×大型住戸(80㎡以上)」への投資・投機マネー集中と特定している。六本木は国際的知名度が高く、外資系投資家にとって「説明容易性・流動性・出口戦略の明確性」に優れる立地として資金が流入している。
六本木五丁目西地区再開発の全貌
2026年3月9日、日経新聞は森ビルと住友不動産による六本木五丁目西地区再開発の詳細を報じた。計画は約10.1haの敷地に展開される。
主要施設の規模は以下の通り。
- A-1街区:オフィスビル、地上66階、高さ327m(展望室あり)
- A-2街区:寺院、地上3階、高さ20m
- A-3街区:教会、地上3階、高さ20m
- B街区:タワーマンション、地上70階、高さ288m
2030年度以降の完成を目指し、2025年度に着工予定。六本木ヒルズ(高さ238m)を大きく上回る高さが計画されている。通称「第二六本木ヒルズ」と呼ばれるこの構想は、既存建物の解体が2025年から2026年にかけて本格化している。
この再開発は六本木五丁目の地価形成に直接的な影響を与える。特にB街区の288mタワーマンションは、周辺の築浅物件との競合・相乗効果が予想される。
周辺物件の実勢価格と投資判断
六本木五丁目周辺の実勢価格を確認する。Koukyuuの取扱物件から近隣の事例を挙げる。
西麻布1(六本木駅)6億2800万円は、六本木駅至近の築浅物件。六本木五丁目から徒歩圏内の西麻布エリアに位置する。 南麻布1(麻布十番駅)5億2000万円は、麻布十番駅からのアクセスを重視した物件。六本木五丁目367番1と同様、駅から400m圏内の立地である。これらの価格帯は、六本木五丁目の地価上昇と連動している。特に「築浅×大型住戸」というキーワードが実勢価格に反映されている。
投資判断において重要なのは、再開発完成後の供給増と、現時点での希少性のバランスだ。288mタワーマンションの供給は2020年代後半に集中する。それまでの間、周辺の既存築浅物件は相対的な希少性を維持する可能性がある。
法規制と都市計画の制約
六本木五丁目367番1の現行規制を再確認する。
用途地域は第二種中高層住居専用地域。建蔽率60%、容積率300%の数値は、東京の都心部では標準的な水準。準防火地域、市街化区域の指定がなされている。
この規制のもと、個別の土地活用には限界がある。再開発による集約的な容積率の配分が、地域全体の価値向上に寄与する構造だ。
六本木五丁目西地区の再開発は、都市計画法に基づく市街地再開発事業として進められる。既存建物の権利関係の整理、仮換地の設定、精算金の算定など、複雑な法的手続きを経て実現する。
地価上昇の持続性とリスク要因
329万円/m²という水準の持続性を検討する。
上昇を支える要因は明確だ。外資投資の継続的流入、六本木・麻布台のブランド力、第二六本木ヒルズの完成期待。これらは中期的に維持されるだろう。
一方でリスクも存在する。タワーマンション供給の集中による賃料・売却価格の圧力、金利上昇による投資マネーの減速、国際情勢の変化による外資の撤退。これらは個別に、あるいは複合的に発生しうる。
特に注目すべきは、2026年以降の「緩やかな落ち着き」という見方が一部に存在することだ。ただし、大幅な値下げは見込めないという見解が主流である。
投資家・居住者双方にとって、重要なのはタイミングの選択ではなく、物件の質の選択だ。立地、築年数、専有面積、管理状況、これらの要素が価格変動を上回る差異を生む。
Koukyuuは、六本木・麻布・広尾・白金の物件検討において、個別のニーズに応じたプライベートな相談を受け付けている。取扱下限3億円の物件に絞り、有資格の宅建士が初回相談から引渡しまで一貫して対応する。
Koukyuuは麻布・広尾・白金をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談)より。
