代官山の低層マンションが坪1,000万円を超えた、2026年の価格形成
代官山の低層マンションが坪1,000万円を超えた、2026年の価格形成
Koukyuu Realty
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港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。

2026年4月、渋谷区代官山エリアの低層高級マンション市場に明確な節目が生まれた。パークナード代官山の相場単価が坪1,086万円〜1,166万円に達し、東京都平均を282.0%上回る水準を記録した。3年前と比較して97万円/㎡の上昇。これは単なる地価高騰の側面だけでは説明できない、代官山特有の「低層」という資産カテゴリーの再評価を示している。

坪単価1,000万円の壁を超えたパークナード代官山

パークナード代官山は2019年9月に竣工した地上7階地下2階建て、総戸数94戸の低層マンションである。代官山駅徒歩2分という立地にありながら、14階建て以上のタワーマンションではなく、7階という低層性を選択した開発。2025年6月時点の参考相場単価は328万円/㎡〜352万円/㎡(坪単価1,086万円〜1,166万円)に達した。

価格上昇の速度に注目すべき点がある。1年前(2024年6月)と比較して30万円/㎡の上昇。3年前(2022年6月)と比較して97万円/㎡の上昇である。年間換算で32万円/㎡を超える上昇率は、東京都心部の新築タワーマンションですら珍しい水準だ。

4階・2SLDK・専有面積約76㎡の物件は2億4,740万円〜2億5,980万円で取引されている。表面利回りは2.2%〜2.7%と、投資指標としては低めだが、賃貸需要の安定性と資産価値の保全性を重視した買いが支えている。

渋谷区の1965〜1975年築・専有面積100㎡〜150㎡物件の平均販売価格が320.8万円/㎡(前年比+157.2%)に達する中、パークナード代官山はこの平均をさらに上回る位置づけにある。渋谷区平均より137.7%高い計算になる。

低層マンションの資産性を検証する比較軸

代官山エリアで低層マンションの資産性を論じる際、比較対象として挙がるのがラ・トゥール代官山とグランドメゾン代官山である。いずれも「低層」というカテゴリーではなく、高層・超高層のラグジュアリーマンションだ。しかし、坪単価の観点から見ると、パークナード代官山はこれらと同等か、それ以上の水準で取引されている。

ラ・トゥール代官山は住友不動産が手がける賃貸専用の低層・大型物件として知られる。公式情報によれば、渋谷エリアの低層・大型物件として位置づけられているが、具体的な坪単価は非公開だ。賃貸専用という特性上、資産価値の評価軸は分譲物件とは異なる。

一方、グランドメゾン代官山THE PARKは2024年5月に竣工した6階建て(地下1階)・総戸数14戸の低層マンションである。パークナード代官山よりさらに低層で、総戸数も限定的だ。大手ディベロッパーならではの高品質な設計が特徴とされるが、市場に出回る物件数の少なさから、価格形成の透明性はやや低い。

この比較から読み取れるのは、代官山における「低層」という属性が、かつての「タワーマンションに劣る選択肢」から「希少性を持つ資産カテゴリー」へと再定義されたという点だ。7階以下という建築制限がかかる地区も多い中、低層であっても十分な収益性と資産性を確保できる開発が可能になった。

代官山デュープレックスと代官山アドレスの示す二つの価格帯

代官山エリアの低層高級マンション市場は、明確に二つの価格帯に分かれている。パークナード代官山が代表する坪1,000万円超のセグメントと、代官山デュープレックスが位置する坪600万円前後のセグメントだ。

代官山デュープレックスは1999年8月竣工の14階建て、総戸数38戸。恵比寿駅徒歩3分、代官山駅徒歩5分というダブルアクセスが特徴だ。2025年6月の相場単価は173万円/㎡〜219万円/㎡(坪単価約572万円〜724万円)。パークナード代官山の半額以下だが、こちらも3年間で57万円/㎡の上昇を記録している。

7階・2LDK・専有面積約63㎡の物件は1億1,190万円〜1億1,750万円。表面利回りは3.2%〜3.9%と、パークナード代官山より高い水準だ。築年数の割に資産価値を維持している背景には、デュープレックスという建築形式の希少性と、恵比寿・代官山の両駅を使える利便性がある。

対照的なのが代官山アドレスだ。2000年8月竣工の36階建て、総戸数501戸という大規模マンションである。代官山駅徒歩1分という立地で、相場価格は2億415万円〜4億8,371万円、賃貸相場は33.6万〜85.5万円/月。表面利回りは1.98%〜2.12%と、低層マンションよりさらに低い。

ここに代官山市場の特異性が表れている。タワーマンションの方が利回りが低く、低層マンションの方が利回りが高い。通常の市場ではタワーマンションにプレミアムがつくが、代官山では「低層」そのものがプレミアム要因になっている。これは隣接する南麻布2(白金高輪駅) 3億9800万円西麻布1(六本木駅) 6億2800万円といった物件群とも共通する、都心3区の低層資産への再評価の動きだ。

渋谷区の地価上昇率が示す代官山の相対的位置

代官山の低層高級マンション市場を理解するには、渋谷区全体の地価動向を参照する必要がある。マンションマーケットの2026年2月調べによれば、渋谷区の1965〜1975年築・専有面積100㎡〜150㎡物件の平均販売価格は320.8万円/㎡で、前年比+157.2%という驚異的な上昇率を記録した。

同条件の東京都平均は96.3万円/㎡(前年比+22.5%)。渋谷区の上昇率は都平均を大きく上回っている。この文脈でパークナード代官山の328万円/㎡〜352万円/㎡は、渋谷区平均と同等か、やや上回る水準という位置づけになる。

重要なのは、代官山が渋谷区の中でも特に価格上昇が顕著なエリアであるという点だ。恵比寿・中目黒と隣接しながら、閑静な住宅街の雰囲気を保っているという希少性が、低層マンションの資産価値を支えている。

2026年4月現在、代官山駅周辺の賃貸相場はワンルーム16.1万円、1LDK20.9万円、2LDK30.5万円、3LDK38.5万円となっている。賃貸需要の安定性が、低層マンションの表面利回りを支える基盤になっている。

低層マンション選びの実務的指標

代官山エリアで低層高級マンションを検討する際、具体的な数値指標に基づく判断が必要だ。まず建築年数だが、パークナード代官山(2019年竣工)のような新築から、代官山デュープレックス(1999年竣工)のような20年超の物件まで、価格帯は大きく異なる。

次に総戸数だ。パークナード代官山は94戸、グランドメゾン代官山THE PARKは14戸と、低層マンションでも総戸数の差は大きい。総戸数が少ないほど管理組合の運営負担は増すが、希少性は高まる。14戸という規模は、再販時の流動性リスクを考慮する必要がある。

階数も重要だ。パークナード代官山は7階建てで、最上階の7階がプレミアム価格をつける。一方で、グランドメゾン代官山THE PARKは6階建て(地下1階)と、さらに低層だ。低層ほど日当たりや眺望の確保が難しくなり、各階の価格差が大きく開く傾向がある。

専有面積あたりの管理費・修繕積立金も確認すべきだ。低層マンションはエレベーター台数や共用施設の規模が小さいため、戸数で割った単価はタワーマンションより高くなるケースがある。パークナード代官山の場合、高級仕様による設備保守コストが加わる。

最後に、表面利回りと実質利回りの差だ。代官山デュープレックスの3.2%〜3.9%という表面利回りは、管理費・修繕積立金・固定資産税・都市計画税を差し引くと、実質1.5%〜2.0%程度に低下する。資産価値上昇を見込んだトータルリターンで評価する必要がある。

2026年以降の供給と地価見通し

代官山エリアの低層高級マンション市場に影響を与える供給動向について、2026年以降の新規供給は限定的だ。恵比寿・代官山・中目黒エリアで2026年に竣工予定の低層マンションは、一部の小規模開発を除き、目立った供給増は見られない。

これは代官山周辺の開発可能な土地の枯渇を反映している。代官山駅徒歩圏内で、パークナード代官山やグランドメゾン代官山THE PARKのような規模の低層マンションを建設できる土地は、ほぼ存在しない。今後の供給は小規模なリノベーション物件か、既存物件の転売に依存する構造になる。

この供給制約が、既存の低層高級マンションの資産価値を支える要因になる。パークナード代官山の3年間で97万円/㎡という価格上昇は、この供給不足を織り込んだ動きと解釈できる。

ただし、注意すべきリスクもある。渋谷区の地価上昇率が前年比+157.2%という異常値を記録した背景には、特定の大型取引の影響が含まれている可能性がある。持続的な価格上昇を見込む場合、賃貸需要の実態と賃料水準の追従を確認する必要がある。

代官山エリアの低層高級マンションは、2026年現在、坪1,000万円という新たな価格帯を形成した。これは単なるバブルではなく、都心3区における「低層」という資産カテゴリーの再評価を示す構造的変化だ。ただし、個別物件の選択においては、総戸数、階数、管理コスト、利回りの実態を数値で確認し、流動性リスクを勘案した判断が求められる。

Koukyuu は代官山・恵比寿・中目黒をはじめとする東京の格式ある住宅地を対象とした、取扱下限3億円のプライベート・バイヤーズエージェンシーです。初回相談から引渡しまで、有資格の宅建士本人が一貫して担当します。個別のご相談)より。

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