
Koukyuu所属の宅地建物取引士が監修
港区・渋谷区・千代田区の高級物件取引に携わる国家資格保有者が、最新の不動産関連法・税制・市況データに照らして本記事を検証しています。宅地建物取引士は、日本国内のすべての不動産取引において法令上の重要事項説明を担う国家資格(合格率約15%)です。
2026年3月に竣工したマンション広尾台の初年度取引が、渋谷区東エリアの新築価格指標として注目を集めている。日比谷線恵比寿駅から徒歩7分、渋谷区東3丁目の閑静な住宅街に位置するこの物件は、12階建て・総戸数41戸の小規模高級マンションである。
マンション広尾台の取引価格と公示地価の比較
2026年1月から3月にかけての成約事例は以下の通りである。
| 階数 | 専有面積 | 成約価格 | ㎡単価 | 間取り |
|---|---|---|---|---|
| 2階 | 51.89㎡ | 8,280万円 | 159.6万円/㎡ | 1LDK |
| 7階 | 82.8㎡ | 1億7,000万円 | 205.3万円/㎡ | 2LDK |
| 7階 | 82.8㎡ | 1億6,997万円 | 205.3万円/㎡ | 2LDK |
これらの㎡単価を坪単価に換算すると、527万円/㎡〜677万円/㎡となる。一方、同地点の2026年公示地価は渋谷区広尾エリアの住宅地平均で坪単価618万円(187万円/㎡)である。
ここに重要な乖離が存在する。公示地価は前年比11.5%上昇したが、新築マンションの実勢取引価格は公示地価を10%〜30%上回る水準で形成されている。この差異は、新築ブランド価値と中古市場の価格形成の分岐を示している。
グランスイート広尾 3億3980万円(3LDK) と比較すると、広尾エリアの築浅物件は坪単価600万円台後半から900万円台にかけて取引されている。広尾エリアの地価上昇率と周辺マンション市場
2026年3月17日に国土交通省が発表した公示地価によると、広尾駅周辺エリア(港区・渋谷区跨ぐ)の平均上昇率は15.36%に達した。これは東京23区全体の住宅地平均上昇率12.7%を大きく上回る。
| エリア | 2026年公示地価上昇率 | 坪単価平均 |
|---|---|---|
| 港区全体(住宅地) | +16.6% | — |
| 広尾駅周辺平均 | +15.36% | 1,026万円/坪 |
| 渋谷区広尾エリア単独 | +11.5% | 618万円/坪 |
| 東京23区平均(住宅地) | +12.7% | — |
港区側の南麻布4-9-34(広尾駅650m地点)では、公示地価が坪単価1,649万円に達し、前年比15.51%の上昇を記録した。この地点は共同住宅用途で容積率200%の制約を受けるが、それでも地価が急騰している。
マンション広尾台の立地する渋谷区東3丁目は、港区南麻布との境界に近く、広尾エリアの高級住宅地としてのブランド価値を享受しながらも、渋谷区側のやや抑制的な地価水準に位置づけられる。この中間的な位置付けが、新築マンションの価格競争力を生み出している。
賃貸市場の動向と投資収益率
マンション広尾台の賃貸募集は2026年4月時点で以下の水準で行われている。
| 間取り | 専有面積 | 賃料 | ㎡単価 |
|---|---|---|---|
| 1LDK+WIC | 約50㎡ | 34.1万円〜38万円 | 6,820円/㎡〜7,600円/㎡ |
| 2LDK+SIC | 約80㎡ | 58万円〜68万円 | 7,250円/㎡〜8,500円/㎡ |
賃料の㎡単価は6,800円〜8,500円の範囲で、これは恵比寿・広尾エリアの新築高級マンションとして標準的な水準である。年間想定賃料収入を購入価格で除した粗利回りは、2階の1LDKタイプで約4.9%、7階の2LDKタイプで約4.8%となる。
この利回り水準は、同エリアの築10年以上の中古高級マンション(ザ・パークハウス広尾羽澤 7億9800万円 など)と比較して0.5〜1.0ポイント低い。新築プレミアムと賃貸市場の実需との間で、投資家は長期保有の視点を求められる。
日比谷線恵比寿駅のアクセスと広尾エリアの交通網
マンション広尾台の交通アクセスは以下の通りである。
- 東京メトロ日比谷線 恵比寿駅 徒歩7分
- JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン 恵比寿駅 徒歩9分
- 都営大江戸線 広尾駅 徒歩12分
日比谷線は2026年4月時点で、北千住から中目黒を結ぶ14.3kmの路線である。朝夕の混雑率は180%〜200%と高いが、恵比寿駅は始発列車の設定があり、座席確保の可能性が残る。
広尾エリアの交通利便性は、複数路線の乗り入れる恵比寿駅を中心に形成されている。恵比寿駅周辺の再開発が進み、2026年には駅ビル「恵比寿ガーデンプレイス」の大規模改修計画が発表された。これにより、広尾・恵比寿エリアの商業集積がさらに強化される見込みである。
中古マンション市場との比較とリフォーム事例
マンション広尾台と同エリアの築浅中古マンションの取引事例を比較する。
| 物件名 | 築年数 | 坪単価 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 広尾ガーデンヒルズ イーストヒル | 築5年 | 800万〜1,100万円/坪 | 大規模物件、設備充実 |
| 広尾センターマンション | 築8年 | 600万〜750万円/坪 | リノベーション済み物件あり |
| マンション広尾台 | 新築(2026年3月竣工) | 527万〜677万円/㎡換算 | 坪換算で約174万〜223万円/㎡ |
ここに単純な比較の落とし穴がある。広尾ガーデンヒルズは専有面積100㎡超のファミリータイプ主体で、マンション広尾台は50㎡〜80㎡のコンパクトな間取りが中心である。㎡単価の比較には面積構成の差を考慮する必要がある。
中古購入時のリフォーム事例としては、広尾センターマンションの80㎡タイプで400万〜600万円のフルリノベーションが一般的である。設備の老朽化(給排水管、電気容量、外壁)を考慮すると、築15年以上の物件では1,000万円を超える改修費用が発生するケースもある。
購入検討時の法規制とデューデリジェンス
マンション広尾台の立地する渋谷区東3丁目は、第一種中高層住居専用地域に指定されている。周辺の主要地点の法規制を整理する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用途地域 | 第一種中高層住居専用地域 |
| 建蔽率 | 60% |
| 容積率 | 200%(準防火地域による制限あり) |
| 前面道路 | 幅員約6mの私道(位置指定道路) |
この物件は私道に面した「角地」に位置し、建築基準法上の斜線制限が緩和されるメリットがある。ただし、前面道路が位置指定道路であるため、将来的な道路拡幅の際の用地買収リスクを確認する必要がある。
2026年4月時点で、渋谷区東エリアには大規模な都市再開発計画は公表されていない。ただし、恵比寿駅周辺の再開発が本格化する場合、広尾エリアへの人口流入が加速し、賃貸需要の増加が見込まれる。
Koukyuu は麻布・広尾・白金の物件検討において、法規制調査から交渉まで有資格の宅建士が対応するプライベート・バイヤーズエージェンシーである。3億円以上の取扱下限を設け、全段階で宅建士本人が同席する体制を採用している。個別のご相談) は専用フォームより受け付けている。
